米中外相が電話会談 5月のトランプ氏訪中に向け地ならし、台湾問題巡り中国が牽制

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米中外相が電話会談 最大懸案は「台湾」と中国

5月中旬に予定されているトランプ米大統領と習近平国家主席による首脳会談を前に、中国の王毅外相は30日、米国のルビオ国務長官と電話会談を行った。王氏は、台湾問題が「米中関係における最大の懸念事項」であると強調し、米国側に慎重な対応を強く促した。台湾の中央通信社などが伝えた。

会談では、米国の台湾に対する武器売却や政治的支援、および台湾独立への対応が主要な議論となった。王氏は、米国が外交的約束を破り台湾支援を継続していることを非難し、「正しい選択」を行うよう要求した。これに対し、ルビオ氏は米中関係の戦略的安定を追求する立場から、意思疎通を維持し、相違点を適切に処理すべきであるとの実務的な認識を伝えるにとどめた。

トランプ政権復帰後の経済戦を経て、両国は昨年10月に貿易休戦を宣言したが、中国側は米国が台湾独立に明確な反対を示していないことを重大な外交障壁と見なしている。ルビオ氏に対し、首脳会談を前に改めて釘を刺した形だ。

ルビオ氏は、対イラン戦争の影響で延期されていたトランプ氏の訪中を成功させるため、高官級の対話を継続し、成果を積み上げる姿勢を示した。5月14日の訪中では、台湾への軍事・外交関与を巡る両国の認識の差をいかに管理するかが焦点となる。

実務的な「地ならし」と中国側の牽制

今回の電話会談について、米政府当局者は「大統領訪中に向けた事前の準備協議」であることを認めている。ルビオ氏にとっては、イラン情勢の緊迫化により延期されていた歴史的訪中を確実に成功させることが最優先課題だ。ルビオ氏は会談で「元首外交は米中関係の核心である」と認め、戦略的な対話の継続を重視する姿勢を明確にした。

対する中国側の王毅氏は、元首外交を「関係の重石(定盤星)」と呼びつつも、台湾問題を米中関係の「最大のリスク」と定義し、強い警戒感を示した。北京側は、トランプ政権下の米国が台湾への関与を強めている現状を、1970年代からの米中間の約束に反するものとして厳しく批判している。ルビオ氏への「正しい選択」という要求は、首脳会談で台湾問題に関する譲歩を引き出したいという中国側の強い政治的意図が透けて見える。

国際情勢とサプライチェーンへの影響

米中両国は昨年10月、韓国での首脳会談を通じて「貿易休戦」に入っているが、その安定は極めて脆い。特に半導体産業をはじめとするハイテク分野のサプライチェーンにおいて、台湾海峡の安定は死守すべきラインとなっている。中国側が台湾問題を前面に押し出すのは、米国の先端技術輸出規制や軍事支援が、中国の産業競争力と安全保障に対する直接的な脅威であると認識しているためだ。

また、今回の会談では中東情勢についても意見が交わされた。2月に始まった米国・イスラエルによる対イラン攻撃は、世界的な原油高と不透明感をもたらし、トランプ氏の訪中スケジュールを狂わせた。現在、三週間の臨時停火という微妙な局面にあるが、米中双方がこの地域での決定的な衝突を回避し、首脳会談の環境を整えたいという思惑で一致している。

5月14日から始まるトランプ氏の北京訪問は、2025年の政権復帰以来、初めての対中首脳外交となる。台湾支援を継続する実利優先のトランプ政権と、台湾問題を譲れない一線とする習近平指導部。ルビオ氏が進める「実務的調整」が、首脳会談でどのような合意形成に至るかが今後の焦点となる。

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