リトアニア新政権が対中正常化へ 台湾との半導体協力停滞が焦点、外交部は関係後退を否定

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リトアニア新政権が発足へ 対中正常化を外交課題に

バルト3国のリトアニアで2026年6月23日、イングリダ・ルギニエネ首相が辞任を表明し、与党・社会民主党(LSDP)党首のミンダウガス・シンケビチウス氏が新首相に就任する見通しとなった。新政権は欧州連合(EU)の枠組みの中で中国との関係正常化を外交課題に掲げる一方、台湾との半導体投資や経済協力が当初の期待ほど進展していないとの認識を示しており、2021年以降急速に深まった台湾・リトアニア関係が転機を迎えている。

台湾代表処設置後に協力拡大

台湾とリトアニアは新型コロナウイルス禍を契機に関係を強化した。2020年に台湾がマスク10万枚を寄贈し、2021年にはリトアニアが台湾へAZ(アストラゼネカ)製ワクチン25万5000回分を提供した。

2021年5月にはリトアニアが中国と中・東欧諸国による「17+1」協力枠組みから離脱。同年11月には首都ビリニュスで欧州初となる「台湾」の名称を冠した「台湾代表処」が開設された。これに対し、中国はリトアニアとの外交関係を代理大使級へ格下げし、同国製品に対する経済措置を実施した。

台湾政府は2022年、中東欧投資基金を設立し、半導体やバイオ、レーザー光学分野でリトアニアを含む中・東欧諸国との協力を推進したほか、中国市場で販売が停滞したリトアニア製品の購入も進めた。同年11月にはリトアニア貿易代表処が台北で開設され、2023年には台湾の工業技術研究院(ITRI)がリトアニア企業との半導体分野での協力を開始した。

半導体投資の進展不足が課題に

シンケビチウス氏は2026年2月、「台湾代表処」の設置を認めた背景には台湾の半導体産業や大規模投資への高い期待があったものの、その成果は十分に実現していないとの認識を示した。また、今後の台湾・リトアニア関係は台湾による実質的な投資の進展に左右されるとの考えを明らかにした。

ギタナス・ナウセダ大統領も、ケーストゥティス・ブドリス外相の続投について、中国との関係正常化と台湾との合意目標の実現に向けた今後数カ月の成果を判断材料にすると述べた。また、ルギニエネ首相は退任前、「台湾代表処」を従来の「台北代表処」へ改称する可能性を排除しない考えも示していた。

台湾外交部は関係後退報道を否定

こうした報道を受け、台湾外交部は2026年6月24日、一部メディアが報じた「台湾との関係格下げ」や「台湾代表処」の名称変更について、「過去の報道をつなぎ合わせたもので事実とは異なる」と反論した。

外交部は、現在のリトアニアは組閣中の移行期であり、新政権はまだ正式に発足していないと説明した上で、「台湾とリトアニアは民主主義と自由という共通の価値観を持つパートナーであり、両政府は引き続き緊密な連携を維持し、各分野での協力を深化させる」と強調した。

専門家「実質的な協力の積み重ねが重要」

米国在住の政治学者、翁履中氏は2026年6月24日、自身のSNSで、今回の動きは台湾外交への重要な教訓になると指摘した。

同氏は、「台湾代表処」の名称採用は象徴的な成果だったと評価する一方、「もし当初から貿易や投資、産業協力を優先して進めていれば、現在の台湾・リトアニア関係はより安定していた可能性がある」と述べた。

さらに、外交では国内の支持を得ることよりも、政権交代後も協力関係が継続することが重要であり、台湾は投資や産業連携、人材交流など実質的な利益を積み重ねることで、欧州各国に台湾との協力が長期的な利益につながることを示す必要があるとの考えを示した。


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