米台軍事交流が深化 顧立雄氏「想像以上に緊密」 米印太軍も台湾支援を強調

大陸

台湾の米台軍事交流が新たな注目を集めている。台湾の顧立雄国防部長(国防相)は2026年7月31日の合同インタビューで、台湾と米国の軍事交流は「想像以上に緊密」だと明らかにし、米軍インド太平洋軍との各レベルでの協力を通じて、防衛作戦能力の向上を進めていると説明した。一方、米軍インド太平洋軍のサミュエル・パパロ司令官は8月3日、中国などによる威圧的行動がインド太平洋地域の安定を脅かしていると警告し、「いかなる国にも地域を支配させない」と強調した。

米台軍事交流 「英語教師」は協力の一部

顧氏は、台湾と米国は長年にわたり多層的で幅広い軍事交流を維持しており、その規模は「皆さんの想像以上に多い」と述べた。また、台湾は民主主義という価値観を共有する国々とも緊密な交流を継続していく考えを示した。

近年、台湾軍の演習では米軍関係者が視察員として参加する姿が見られ、市民の間では「英語教師」と呼ばれている。これについて顧氏は、「国民が目にしている『英語教師』は一部に過ぎず、実際には外部から見えない協力の方が多い」と説明した。米軍インド太平洋軍は台湾を第1列島線の重要な拠点と位置付け、防衛能力向上をさまざまな面で支援していると述べ、米国の支援に謝意を示した。

台湾軍は実戦経験を取り入れ訓練を高度化

軍事交流の具体的内容について、国防部戦略計画司の黄文啓司長は公表できないとしながらも、「5年前と現在の台湾軍の訓練方法を比較すれば、どれだけ多くを学んだかが分かる」と説明した。実戦を想定した訓練への転換が具体的な成果として現れていると述べた。

国防部の孫立方報道官は、毎年実施される「漢光演習」は年々内容が高度化しているが、全てが米国の指導によるものではないと説明した。各国の実戦経験を取り入れ、台湾軍の防衛ニーズや人民解放軍の戦術・戦法の変化を踏まえ、国防部と参謀本部が調整しているという。

2026年の「漢光42号演習」では、戦場医療体制の構築や動員生産への転換、住民避難などを重点項目として検証した。孫氏は、これらは台湾自身が防衛上重要と判断した課題であり、米国は豊富な実戦経験を提供し、それを台湾の防衛環境に合わせて取り入れていると説明した。

顧立雄氏「集団抑止が台湾海峡の現状変更を防ぐ」

顧氏は、米国のインド太平洋戦略が掲げる「集団防衛、責任分担」の考え方に触れ、各国が国防予算を増額し、自衛能力を高めることで集団的抑止力を形成し、中国による台湾海峡の現状変更を抑止できるとの認識を示した。

また、中国が台湾を封鎖した場合、中国自身も大きな代償を負うとの見方も示した。中国は対外貿易への依存度が高く、主要港湾は世界の海運網で重要な役割を果たしているため、封鎖は中国経済への深刻な打撃や国際社会による制裁につながる可能性があると指摘した。さらに、台湾海峡封鎖は習近平国家主席の国内政治上のリスクにもなり、「中国政権の安定や習近平氏の統治は非常に大きな挑戦に直面する」と述べた。

パパロ司令官「地域を支配させない」

米軍インド太平洋軍のサミュエル・パパロ司令官は8月3日、「一部の国は根拠のない合法性の主張を口実に、他国への威嚇や威圧を行っている」と述べ、中国を念頭に批判した。

その上で、海洋の自由、海上安全保障、自由貿易は地域安定の基盤であり、紛争の平和的解決と各国の主権尊重がインド太平洋秩序の維持に不可欠だと強調した。「米国は中国には対立ではなく抑止力によって対応する。いかなる国にもインド太平洋地域を支配させず、独立国家が獲得した主権を奪わせることはない」と述べ、中国の威圧的行動をけん制した。

一方、台湾の野党からは慎重な意見も出た。国民党の馬文君立法委員は、米軍による訓練支援は以前から行われてきたもので新しいことではないと指摘した上で、防御を主体とする台湾軍は米軍の戦術をそのまま導入するのではなく、自主的な判断を維持すべきだと主張した。また、民衆党の陳清龍立法院党団総召集人は、軍事交流の深化を評価するとともに、第2段階の対米武器購入計画の早期承認を求めた。

軍事戦略研究者の蘇紫雲氏は、「英語教師」と呼ばれる現役・退役軍人は、台米相互防衛時代の「軍事援助顧問団」と本質的に同じ役割を担っていると分析した。ただし、現在は台湾の外交上の制約を踏まえ、公には目立たない形で活動しているとの見方を示した。


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