米台海巡協力をAITが公開
米国在台湾協会(AIT)は7月28日、台湾海巡署の4,000トン級巡視救難艦「台北艦」と米沿岸警備隊(USCG)の大型巡視船「ミジェット号」が並走する写真を公式SNSで公開し、海上安全分野での米台協力をアピールした。台湾紙の自由時報などが伝えた。
AITは、米沿岸警備隊と台湾海巡署が台風シーズンを前に、海難救助、熱帯低気圧への対応、災害救援、海洋資源保護、違法漁業対策、海上麻薬密輸の取り締まりなどで緊密に連携していると説明した。また、台湾が海上法執行や国際協力を通じて国際社会へ実質的に貢献することを引き続き支持すると強調した。写真の撮影日時や場所は公表していない。
米台は2021年、海巡作業部会設置に関する覚書(MOU)を締結し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業対策や海上捜索救助などの分野で協力を進めている。
漢光42号で海巡部隊を本格運用
同日、台湾国防省は8月5日から14日に実施する「漢光42号」演習で、海巡部隊を組み込んだ「反封鎖護衛」を初めて重点訓練項目に位置付けると発表した。
演習では、海軍と海巡署が海上法執行、海域警備、航路の安全確保、重要物資輸送の護衛を共同で実施するほか、西太平洋海域で物資輸送や護衛活動も訓練する。有事には平時の海巡部隊を軍の指揮下へ組み込む「平戦転換」を想定し、共同指揮・統制体制の運用を検証する。
台湾安保協会の何澄輝副秘書長は、米国の支援は従来の軍事衝突への備えだけでなく、中国による「グレーゾーン活動」への対処にも広がっていると指摘した。その上で、海上法執行から軍事作戦へ移行する「平戦転換」が重要であり、海軍濱海作戦指揮部と海巡署が共通の作戦状況図を構築し、リアルタイムで情報共有する体制づくりが必要との認識を示した。
中国海警は台湾東部で常態化巡視を継続
一方、中国海警局は7月31日、秀山艦編隊が台湾東部海域で「法に基づく常態化した法執行巡視」を実施したと発表した。
報道官の姜略氏は、7月以降も同海域の管理・統制を継続的に強化し、正常な航行や操業秩序を維持するとともに、「台湾同胞を含む中国国民の合法的権益と生命・財産の安全を守る」と説明した。また、中国海警は今後も中国の管轄海域で法執行巡視を強化し、領土主権と海洋権益を守る方針を改めて示した。
中国海警は6月1日、岱山艦編隊による台湾東部海域での法執行巡視を開始したと発表し、日本とフィリピンが台湾東部海域の境界画定交渉を開始すると表明したことへの対抗措置と位置付けた。その後、6月6~10日には交通運輸省が海上交通特別法執行と海底測量を実施し、自然資源部は海洋環境調査、農業農村部傘下の研究機関は水産資源調査を実施した。
7月4日には秀山艦編隊が任務を引き継ぎ、「常態化した法執行巡視」へ移行した。台湾海巡署によると、31日午前には秀山艦と崇明艦が花蓮沖周辺海域で確認された。また、中国海警局は7月29日、福建海警が金門周辺海域で「常態化した法執行巡視」を実施したことも発表している。
