台湾人男性、上海で6時間の事情聴取 アムネスティ勤務歴巡り中国側が正当化

 台湾人男性が上海で入境手続きの際、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルで働いた経歴について約6時間にわたり事情聴取を受けたと、家族がSNSに投稿した。中国国務院台湾事務弁公室の張晗報道官は9月2日、同団体の勤務経験者に対する審査は合理的で合法だと主張した。台湾の大陸委員会は同日、中国渡航時の身の安全に関するリスクが高まっていると改めて指摘した。聯合報

家族は8月29日の出来事と説明

 中央社によると、家族は8月29日夜、SNSのThreadsに、息子が同日昼ごろ、出張で上海に到着した際に入境を止められ、別室で質問を受けたと投稿した。事情聴取に当たったのは私服の3人で、男性が過去にアムネスティでアルバイトをしていたことについて、詳しく尋ねられたという。中央社

 質問は、団体内で担当した業務のほか、中国本土や香港、新疆ウイグル自治区、チベットに関する報告書の作成や人権活動への関与、団体の資金源、中国を訪れた目的などに及んだ。携帯電話のロック解除や、会話履歴、保存していた仕事関係のファイルの確認も求められたという。聯合報聯合報

中国側は審査を正当化

 張報道官は9月2日の定例記者会見で、アムネスティを反中勢力に協力する団体と非難し、中国を繰り返し中傷してきたと主張した。その上で、出入境検査部門が同団体で働いた一部の人物を審査することを正当化した。

 また、法令を守る台湾の人々は中国本土での滞在を楽しめると述べ、台湾当局の注意喚起については、住民を怖がらせ、中台間の交流を妨げる目的があると批判した。事情聴取の時間や携帯電話の検査など、家族が投稿した個々の内容についての詳しい説明は示さなかった。北青網

台湾側は類似事例との共通点を指摘

 大陸委員会は、投稿者から政府への直接の報告は受けていないものの、記された経緯は過去に把握した類似事例と一致すると説明した。人権や環境、行政の監視、労働などの問題に関わるNGO関係者に対し、中国側が敵対的な姿勢を取っていると指摘。渡航リスクが高いと考えられる人には、中国本土へ行く必要性を慎重に検討するよう呼び掛けた。聯合報

 一方、アムネスティ台湾支部の邱伊翎事務局長は8月31日、投稿に登場する人物がどの元職員なのか、団体側では特定できていないと説明した。採用への応募者には中国本土や香港への渡航を控えるよう助言しているが、個人旅行そのものを制限しているわけではないという。同団体は中国だけを対象としているのではなく、各国の人権状況を扱っているとも述べた。中央社配信・聯合新聞網

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