9年ぶりに再開された「国共両党シンクタンク・フォーラム」の性格と背景
2026年2月3日、北京において「国共両党シンクタンク・フォーラム」が9年ぶりに開催された。このフォーラムは、中国共産党と台湾の最大野党である国民党が独自の対話ルートを維持し、中台間の実務的な合意形成を図るための重要な交流の場である。2016年の民進党政権発足以来、中台の公的な対話が停滞する中で、国民党は「対話による平和」を掲げて独自の対中パイプを強調してきた。ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)などによれば、今回のフォーラム再開は、冷え込んだ両岸関係における「窓口」としての機能を再確認する狙いがある。
国民党の蕭旭岑副主席は開幕式の祝辞で、2008年から2016年の国民党主政期にECFA(両岸経済協力枠組協議)を含む23の合意が達成された成果を強調した。これらはすべて、双方が「対立に代えて対話を、衝突に代えて和解を」追求した結果であると述べた。
「92年コンセンサス」の堅持と5側面15項目の協力提案
フォーラムの核となったのは、中台が「一つの中国」の原則を口頭で認め合ったとされる「92年コンセンサス(九二共識)」の再確認である。蕭旭岑氏は、この政治的基盤と台湾独立への反対を堅持することが、交流を継続するための不可欠な条件であると主張した。
同日、国民党の李鴻源国政基金会副董事長は、専門家らによる議論の総括として「5側面15項目の共同意見」をまとめた。具体的な提案内容は以下の通りである。
- 人員往来の正常化:民進党政権による人為的な制限の解除、海空直行便の全面再開、福建や上海からの訪台団体旅行の早期実現が含まれる。
- 新興産業協力:AI(人工知能)と製造業の結合や、サプライチェーンのグリーン・アップグレードを共同で推進する。
- 医療・介護・防災:中医学の資源統合、高齢者ケア(康養)の交流深化、および防災・減災における協力体制の強化を提唱した。
中国側の宋濤国務院台湾事務弁公室主任は、「家族の事は家族で話し合うべきだ」と述べ、平和的発展への意欲を示した。
王滬寧氏との会見と民進党による警戒感
2月4日午前、蕭旭岑氏は人民大会堂で中国全国政治協商会議の王滬寧主席と会見した。王氏は、このフォーラムが習近平総書記と国民党の鄭麗文主席による祝電の精神、すなわち平和、発展、交流、協力を求める同胞の願いを具現化したものであると高く評価した。蕭氏は、今回の交流は「始まりに過ぎない」とし、大多数の台湾民衆が適切なプラットフォームを通じた意思疎通の維持を望んでいると語った。
しかし、台湾の与党・民進党はこの動きを厳しく注視している。民進党中国部の呉峻鋕主任は、国共フォーラムが民間交流という体裁をとりながらも、その本質は高度に政治化された操作であると指摘した。中国の経済吸い上げ戦略に呼応し、台湾の産業を再び中国市場へ縛り付けようとする「十五五(第15次5ヵ年計画)」の一環であるとして警戒感を示した。
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