
台北市の総統府前で10日、建国112周年を祝う式典が行われた。蔡総統の出席は任期中では最後となった。
蔡総統は演説で「台湾海峡の平和と安定は、国際社会の安全と繁栄に欠かせない。一方的な現状変更は認められず、両岸の食い違いは平和的な方法で解決することが必要だ」と指摘。「主権と民主、自由を確保した上、平和で安定した両岸関係を構築するよう努力を続けるべきだ」と述べた。
台湾を研究する中国の学者の一人は蔡総統の演説について「緑陣営(台湾独立派)の平和は一時の計略で本音は独立だ」と反発。平和の呼び掛けについては「米国の要望に応えるもの。米国は現在、中台の争いが起きて欲しくない。北東アジアは現状を守ることが米国の利益にかなう」などと述べた。