中国軍、台湾封鎖の能力完備 4段階で実施 WSJ

 25年3月26日台湾米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは23日、中国軍が、台湾を包囲し外部との連絡を遮断する準備を過去以上に整えており、台湾に屈服を迫る意図があると報じた。(写真はWSJの報道内容を伝える聯合報のサイト)

 同紙によれば、台湾封鎖は、空爆によるインフラ攻撃、軍用機と艦艇による方位、機雷と監視による商船封鎖、軍事指揮系統や金融システムに対するサイバー攻撃と通信遮断の4段階で行われる見通し。

 米戦略国際問題研究所(CSIS)「中国の実力」プロジェクトのディレクター林碧瑩氏は「米国と台湾の間では、一般的に『中国が望めば、今日にも台湾を封鎖・孤立させることができる』との共通認識がある」と述べた。

 台湾国防省によれば、昨年10月には過去最多となる125機の軍用機が台湾周辺で演習に参加した。戦闘機、ヘリ、ドローンを含むこれらの航空機は、封鎖を想定した大規模な海空演習を行った。中国国防部はこの演習を「戦闘準備訓練」と位置づけ、港湾封鎖や海陸同時攻撃の訓練を含んでいた。

 台湾側の警戒は強まっており、軍は5日間の即応演習を実施し、今後は「2027年に中国が侵攻を準備している」という想定のもとで演習を続ける予定だ。

 ただ、多くの専門家は、中国軍が台湾海峡110マイルを越えて上陸侵攻する準備は整っていないと見ている。荒れやすい海、険しい崖、泥地、都市化された沿岸部が上陸作戦を難しくしており、米国から供与された対艦ミサイルも大きな抑止力となっている。

 台湾防衛に対する米大統領の姿勢こそが、中国が軍事行動に出るか否かを大きく左右する。台湾のシンクタンク「国家防衛安全研究院」に所属する防衛アナリスト、黄中廷氏によれば、トランプ大統領の姿勢は不透明で、ウクライナ支援の停止によって欧州との亀裂も深まり、対中制裁での結束の見通しが弱まっている。

 黄氏は、最悪の封鎖シナリオとは「米国が台湾海峡問題から完全に手を引き『孤立主義』に走ることだ」と述べた。

◇出典

https://www.wsj.com/world/china/china-is-ready-to-blockade-taiwan-heres-how-8cffdeb2?mod=china_news_article_pos3

https://udn.com/news/story/10930/8629520
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