21日付の香港紙サウスチャイナ・モーニングポストは、台湾の頼清徳総統が3月に掲げた17項目の対中政策指針(頼17条)が、中国側のレッドラインに近づいているとする中国の対台湾政策の著名専門家、厳安林氏のインタビュー記事を掲載した。台湾メディアの中時新聞網が伝えた。
頼17条は、中国を「境外敵対勢力」と明確に定義し、軍事裁判制度の復活や対中交流の管理強化などを盛り込んだ。これにより、民間交流の停滞や団体の活動停止が相次ぎ、中台関係の緊張が高まっているとされる。
厳安林氏は、上海市台湾研究会と上海国際戦略研究所の会長も務めている。厳氏は、「統一を望まない」ことと「台湾独立を主張する」ことは別問題であり、台湾の若者の多くは本気で「台湾共和国」の建国を望んでいるわけではないと述べた。そのため、中台の若者交流を推進することが今後も重点的な課題であると語った。
厳氏によれば、現在の両岸関係はまだ全面的な統一の初期段階にあり、中国側はいまだ準備段階にある。完全な平和統一の実現には5〜10年を要する可能性があるという。北京には統一に対する切迫感があるものの、現時点では明確なスケジュールは存在していない。ただし、頼清徳総統や他の独立派が情勢を緊迫化させれば、平和統一という選択肢は現実的でなくなるとも警告した。
厳氏はさらに、中国には独立阻止の能力はあるが、「望めばすぐに統一できる」ほどの力はまだ備わっていない。統一における最大の外部要因は米国であり、依然として中国より強力である点が、現在の中台統一が実現しない主因であると指摘した。
◇出典
https://www.chinatimes.com/newspapers/20250422000450-260108?ctrack=pc_chinese_headl_p01&chdtv