中国空母福建、就役後初めて台湾海峡を航行 台湾軍が監視映像公開、艦載機は確認されず

安全保障

中国人民解放軍の3隻目となる航空母艦「福建」が、就役後初めて台湾海峡を航行した。台湾国防部と台湾軍は2025年12月17日、福建が前日の12月16日に台湾海峡を通過したと発表し、国軍が全行程を通じて厳重な監視を実施したことを明らかにした。福建は11月5日に海南省三亜で正式に就役しており、今回の航行は就役後初の台湾海峡通過として注目を集めている。

台湾国防部は同日、福建の動向を捉えた監視映像を公開した。映像には台湾海峡を航行する福建の様子が映し出されており、国防部は任務機や艦艇、岸置ミサイルシステムを活用して状況を把握したと説明した。国防部長の顧立雄は、立法院外交・国防委員会での答弁で、公開された写真や映像を基に判断すると、福建の飛行甲板上には艦載機が確認されなかったと述べた。

顧立雄はさらに、艦載機を伴わない航行であった点に触れ、福建が上海市長興島の造船所に戻り、今後、不具合や設計上の課題について改修を行う可能性が高いとの見方を示した。福建は電磁式カタパルトを備えた中国初の正規空母であり、就役後も試験や調整が続いているとされる。

台湾軍は17日、慣例に基づき、台湾海峡周辺における解放軍の海空域の動向も公表した。それによると、12月16日午前6時から17日午前6時までの24時間に、解放軍機9機と軍艦7隻の活動を確認した。このうち航空機5機は台湾海峡の中間線を越え、北部および南西空域に進入したという。これらの動きは、福建の航行と並行して行われていた。

台湾国防部は、福建の台湾海峡通過について、地域の安全保障環境に影響を与える動きとして引き続き注視する姿勢を示している。国防部は、国軍が平時から任務機・艦艇、岸置ミサイルシステムを組み合わせた監視態勢を維持しており、今後も台湾周辺海空域の動向に対して適切に対応していくと強調した。

福建の動向は、中国海軍の空母運用能力の進展を示す象徴的な事例とされており、就役後初の台湾海峡航行は、軍事面だけでなく政治・外交面でも各方面の関心を集めている。

出典
・中央通訊社(CNA)
https://www.cna.com.tw/news/aipl/202512170032.aspx

・on.cc東網
https://hk.on.cc/hk/bkn/cnt/news/20251217/bkn-20251217091306201-1217_00822_001.html

・香港01
https://www.hk01.com/zone/5/%E4%B8%AD%E5%9C%8B#google_vignette

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