事件の概要と被害状況
2025年10月2日午後、台湾・苗栗市の街頭で48歳の男が刃物を振り回し、小学11歳の女児2人と50歳の男性1人が刺された。女児のうち丁姓の児童は左胸を刺され重傷を負い、病院で血管縫合手術を受けて一命を取り留めたが、現在も集中治療室で経過観察が続いている。もう1人の女児と男性も負傷し搬送された。
警察は逃走した男を、住民の通報とバイクのナンバー情報をもとに割り出し、間もなく自宅で逮捕。押収された凶器には血痕が残っていた。
犯行の様子と現場映像
監視カメラやドライブレコーダー映像には、ヘルメットをかぶった男が小学生の集団に近づき、女児の首をつかんで胸を刺す瞬間が映っていた。児童たちは悲鳴を上げて一斉に逃げ惑い、学童保育の女性教師が女児を必死に引き離した。居合わせた住民はタオルで止血し、救急搬送を支援した。
犯人の前歴と再犯の背景
男は10年前にも麻薬使用後に錯乱し、同じコンビニ前で通行人を無差別に襲い4人を負傷させた。殺人未遂で懲役8年8か月の刑を受け、今年3月に出所したばかりだった。半年も経たないうちに再び凶行に及んだことに社会は大きな衝撃を受けている。動機は依然として不明で、警察は無差別攻撃として捜査を進めている。
地域社会の反応
保護者からは「なぜこのような人を社会に戻すのか」「子どもを学校に送るときは校門に入るまで見届けなければ安心できない」といった声が相次ぎ、ネット上でも「政府は社会の安全網を補強すると言っていたのに穴は広がる一方だ」と批判が噴出した。
苗栗県長の鍾東錦は3日午前に小学校を訪れ、児童の登下校警備強化と高リスク人員の追跡体制見直しを指示。「矯正施設から社会復帰までの連携が不十分で、再犯を防げなかった」と述べ、警察を含む監視体制の強化を訴えた。
台湾で繰り返される無差別襲撃
苗栗事件は突発的な街頭犯行だが、公共交通や駅周辺でも無差別攻撃が発生しており、社会に不安を与えている。たとえば、台北MRT石牌駅で通り魔 女性けが、女を逮捕 の事件では、2025年4月15日、石牌駅構内で果物ナイフによる刺傷が起き、女性が負傷し容疑者の女(40歳)が逮捕された。背中に2〜3センチの傷があったが命に別状はなかった。加害者とは被害者に面識がなく、錯乱状態と見られている。その他、各地で類似の事件がしばしば発生している。
- 2014年 台北捷運無差別殺傷事件:4人死亡・24人負傷。犯人は死刑執行。
- 2024年 台中捷運刺傷事件:3人負傷。犯人は懲役10年。
- 2024年 台北捷運女性による襲撃:乗客が2車両分逃げ惑い、死者はなし。
- 2025年 台北捷運石牌駅刺傷事件:女性1人が負傷、動機不明。
いずれも動機が曖昧で、精神疾患や社会不満を背景にした加害者が多い。
社会的課題
苗栗事件と過去の捷運襲撃は共通して「高リスク人物の監視不足」「公共空間での安全確保の脆弱さ」を浮き彫りにしている。台湾社会では、出所者の追跡管理、駅や学校での警備強化、矯正から社会復帰への制度改善が急務とされている。
出典
出典(外部リンク)
- 《中時新聞》:苗栗爆恐怖隨機殺人!鍾東錦:檢討高風險人口追蹤
https://www.chinatimes.com/realtimenews/20251003001531-260407?chdtv - 中央社 CNA:苗栗男出獄再犯隨機殺人 里長嘆如不定時炸彈
https://www.cna.com.tw/news/asoc/202510030037.aspx?utm_source=chatgpt.com - 聯合新聞網:苗栗隨機殺人最新畫面曝光!國小女童遭男勒脖持刀刺 師生驚叫逃竄
https://udn.com/news/story/124624/9046877?utm_source=chatgpt.com