台湾海峡危機、9年連続で最高リスクに 米シンクタンクが2026年予測
米有力シンクタンク「外交問題評議会(CFR)」は、2026年における世界の紛争リスクを評価した年次報告書「予防優先順位調査(Preventive Priorities Survey)」を発表した。この中で、台湾海峡危機は9年連続で最も優先度の高い「第1級のリスク」に分類された。中国による軍事的・経済的圧力の強化が、米国や日本を含む周辺諸国を深刻な武力紛争に巻き込む恐れがあるとして、国際社会に強い警鐘を鳴らしている。台湾メディアの聯合報などが報じた。
報告書によれば、台湾海峡における衝突発生の可能性は「中程度(Moderate)」とされているが、米国の国益に与える影響は「高度(High)」と判定された。米国の外交政策学者や政府当局者ら約600人の専門家の回答を反映した本調査は、単なる予測に留まらず、米国の対外戦略における優先順位を決定付ける重要な指標となっている。
専門家が初めて提言した直接介入の必要性と「大国間戦争」の懸念
今回の報告書で注目すべきは、これまでのようなリスク指摘の枠組みを超え、30人以上の専門家が具体的な予防策を初めて提言した点にある。専門家らは、中台間の緊張緩和を実現するためには、米国が自国の外交的・軍事的な影響力を「直接行使」することが最善の機会であると強調した。これは、従来の「曖昧戦略」の限界を視野に入れつつ、米国がより能動的に現状維持(ステータスクォー)を担保すべきだという、政策転換への示唆とも受け取れる。
また、2026年の地政学状況は「大国間の直接的な軍事衝突」という最悪のシナリオが現実味を帯びている点が特徴だ。ロシアと北大西洋条約機構(NATO)の武力衝突リスクも台湾海峡と同様の警戒レベルに置かれており、米国が欧州とアジアの二正面での対応を迫られる懸念が示されている。一方で、南シナ海での衝突は同様の波及リスクを孕むものの、2026年内の発生可能性については「低」と評価されており、焦点が明確に台湾海峡へ移行していることが浮き彫りとなった。
日本を巡る東シナ海の緊張と安全保障上の役割
日本に関しては、尖閣諸島や台湾の地位を巡る争いが日中間の緊張を加速させている点が深刻視されている。専門家は、東シナ海での偶発的な衝突や武力紛争を防ぐため、米国が日本などの同盟国、あるいは国際機関と密接に協力し、地域的な平和促進に向けた新たな枠組みを早急に構築すべきだと説いている。
特に「台湾有事」を巡る日本国内の議論や防衛力整備の動きは、中国側の警戒を招く一方で、地域の抑止力を高める不可欠な要素となっている。2026年は、北極圏における中国とロシアの共同軍事活動の拡大といった新たなリスク要因も浮上しており、米国の外交・抑止能力、そして同盟国である日本の対応がかつてなく厳しく問われる一年となりそうだ。
[出典] 美智庫連9年評台海危機第一級風險!對美利益影響高 專家首度提建議 台海危機連9年列CFR第一級風險 專家首度提預防建議
#台湾海峡 #地政学リスク #2026年予測 #外交問題評議会 #安全保障

