台北上海都市フォーラム、12月末に上海で開催 蒋万安市長が訪中へ 政治介入で日程短縮

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台北市と上海市が毎年交互に開催する「台北上海都市フォーラム」が、2025年12月27日と28日に上海市で開かれることが正式に決まった。台北市政府は12月10日、蒋万安市長が1泊2日で上海を訪れ、双方の交流プログラムに出席するため、大陸委員会(陸委会)へ申請を提出した。市政府は「関連作業は最終的な行政確認の段階にあり、すべて規定に基づいて進めている」と説明している。

■9月予定から延期、日程は1泊2日に圧縮

台北上海都市フォーラムは、台北市と上海市が市政レベルで交流する数少ない両岸交流の枠組みとして知られる。本年度は上海市が主催側となるが、もともとは9月下旬に開催する方向で調整されていた。しかし、台湾側中央政府(民進党政権)が双方の協力覚書(MOU)文言の修正を求めたことなどを背景に、日程が大幅に延期された。

国民党市議の曾献瑩氏は10日、フォーラムの日程が12月27・28日に確定したと発表したうえで、例年3日2夜の行程が「2日1夜」へ短縮されたことを指摘した。曾氏は「本来の9月開催が中央の要求で見送られたうえ、今回も週末の短期間に制限され、視察や交流の質に影響が出かねない。政治的な介入の結果であり残念だ」と批判した。

■台北市政府「規定に従い手続き中」 2件のMOU締結を予定

台北市政府は、「最終行政確認の段階にあり、確定後に内容を説明する」と述べ、準備が順調に進んでいると強調した。今年のフォーラムでは、2件の協力覚書(MOU)が締結される見通しで、都市サービス、地域経済、観光、文化など複数分野の協力が議題となる可能性が高い。

今回の蒋万安市長の訪中申請は、台湾の対中政策を主管する大陸委員会が受理した。陸委会は10日夜、「審査をすでに完了した」と明らかにし、台北市政府に対して「市政交流に焦点を当てるべきだ」と注意喚起した。さらに、行程に変更が生じる場合には事前の申請が必要だと指摘し、政治的・外交的性質の活動を避けるよう求めた。

■両岸交流が冷え込む中、象徴性高まる

両岸関係が緊張し、政府間交流がほぼ停止しているなかで、台北上海都市フォーラムは数少ない実務交流プラットフォームとして依然重要性を持つ。特に今年は、開催延期やMOUの修正要求など政治的な摩擦が相次ぎ、フォーラムの象徴性が例年以上に高まっている。蒋万安市長の上海訪問が、都市間レベルの交流拡大にどのような影響を与えるのか注目される。

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