
今回のリコールでは、国民党と民衆党が協力して戦った。この成功体験は来年予定される県市首長選挙に直結し、両党がさらに選挙協力を進める可能性を高めている。野党間の連携が強まれば、民進党政権への圧力は一段と増すことになる。
また、注目を集めているのが台中市長の盧秀燕氏の動向。リコール投票後すぐに党主席候補として名前が挙がり、国民党の次の進路を決める重要人物になるとの見方が広がっている。盧氏が実際に主席に就任すれば、党の方向性を大きく左右するとみられる。
与党の頼清徳総統は内閣改造を含む「四項目の調整」を打ち出して態勢立て直しを図るが、立法院での議席劣勢は変わらない。野党が盧秀燕氏の下で結集し、選挙協力を制度化すれば、来年の地方選挙から2028年の総統選にかけて政権交代の流れをつくり出す可能性もある。
台湾紙・自由時報によると、頼清徳政権は大規模な内閣改造に踏み切る。関係者によると、部長と次官級を含め15人の人事が入れ替わる見通しだ。人事は8月28日の行政院会後、卓栄泰・行政院長が記者会見で正式に発表する予定。
国家発展委員会(国発会)主委は、現任の劉鏡清氏に代わり、学界出身で元中華経済研究院長の葉俊顯氏が就任する。葉氏は中研院経済所研究員を務め、コロナ禍の際には政府の政策評価に関与するなど、政策立案への関与経験が豊富だ。
経済相は現行政院秘書長の「キョウ(龍の下に共)明キン(は森の形に金が3つ)」氏が新たに就任。また、秘書長ポストは総統府副秘書長の張惇涵氏が引き継ぐ。
衛生福利相には、健保署長の石崇良氏が昇格する。石氏は台大病院で急診医を務めた臨床医師で、次長も経験した。健保資料流出事件を受けて署長に就任し、対応力が評価されていた。
デジタル担当相は、次長の林宜敬氏が部長に昇格。空席となる政務次長には、台湾人工智慧学校秘書長の侯宜秀氏が入る。
◇出典
https://www.bbc.com/zhongwen/articles/cj4wp0rek74o/simp
https://news.ltn.com.tw/news/politics/breakingnews/5157730