
フィリピンは1975年に中国と国交を樹立し「一つの中国」政策を順守してきた。大統領、副大統領、外交・国防閣僚の台湾訪問は長らく制限されており、林外相の動向が注目を集める。
台湾外務省は、農業省次官や国際経済協会理事長らが台湾・米国企業を率いてフィリピンを訪れ、投資・貿易環境を調査中と説明。一方で華字紙「菲律賓商報」は林氏も随行していると伝えた。
参議院外交委員会のアイミー・マルコス委員長(現大統領マルコス氏の姉)は「一つの中国政策は対中関係の基礎だが、台湾には15万~18万人の比人労働者がおり、台比関係はフィリピン労働者にも直結する」と指摘した。
ラサロ外相は「台湾を主権国家と承認していない」と強調する一方、経済・観光・文化・投資の分野での交流は続ける姿勢を示した。さらに中台衝突時にはフィリピン在住者の安全確保が最優先だとし、中国との会合でも避難問題を議題に加えるべきだとした。
フィリピン駐台代表のガラフィル氏は「台湾には8万9000カ所の避難所があり、4000万人収容可能。台湾政府は有事の際、フィリピン人を支援すると約束している」と報告した。
消息筋によれば、林氏を含む訪問団約70人は25日にフィリピン入りし、スービックやクラーク、マニラを訪れた後、28日からは大統領の出身地イロコスノルテ州を視察している。地元のフィリピン財閥フィリンベストはSNSで林氏を「訪問団団長」と紹介する投稿をしたが、後に削除されたという。
◇出典
https://udn.com/news/story/6656/8967648
https://www.worldjournal.com/wj/story/121220/8968831?from=wj_catelistnews
https://udn.com/news/story/6656/8968598