頼清徳総統は2月17日の旧正月の元日、台北市内の寺院を参拝した際、立法院(国会)で審議が停滞している中央政府総予算と国防特別予算案の早期成立を野党勢力に対して強く求めた。頼氏は、予算の早期通過こそが経済成長の継続的な原動力となり、政府が国民を十分にケアするための基盤になると強調。「与野党は国家と国民のために再考すべきだ」と述べ、立法院の開会後、速やかに予算案を処理するよう強い口調で促した。
特に国防予算については、日本や韓国の防衛費増額を引き合いに出し、台湾には8年で1兆2500億元(約6兆円)を編制し国家の安全を守る能力が十分にあると断言した。頼氏は、いくら経済的利益を上げても国防による守りがなければ不十分であると指摘。中国の脅威を念頭に「自ら助くる者のみが、他者の助けを得られる」と述べ、国防強化は国家の責任であるとして野党側の協力を求めた。
経済面では、2025年第4四半期の成長率が12.86%に達し、通年でも8.68%という驚異的な成果を収めたことを報告した。一人当たりGDPは3万9477ドルに到達し、台湾株式市場の加権指数は3万3000ポイントの大台を突破。雇用状況も歴年で最良の数値を維持している。頼氏はこれらの成果を「世界が羨む成績だ」と評し、今後も中小零細企業の支援や軍公教の待遇改善を推進する意向を示した。
予算審議の停滞が招く「行政執行の遅滞」への懸念
頼総統が参拝の場を通じて野党側に予算成立を強く働きかけた背景には、立法院における多数派である野党と、政権を担う与党との間の対立による行政停滞への強い懸念がある。中央政府総予算案の審議が遅れることは、単なる政治的論争に留まらず、2026年度から実施予定の重要施策の執行に直接的な影響を及ぼす。
具体的には、低所得世帯への生活補助金の増額や、高齢化社会に対応する「長照3.0(長期介護サービス)」の拠点拡充、さらには少子化対策としての生育補助の拡充など、国民生活に直結する予算の執行が危ぶまれている。頼氏は、政府が国民を十分に保護・支援する力を発揮するためには、党利党略を超えた予算の早期通過が不可欠であると説き、野党側に理性的かつ迅速な審議を呼びかけている。
防衛力の強化:国家存立のための超党派的課題
国防特別予算についても、頼氏は国家存立の観点から最優先課題として位置づけている。日本や韓国が周辺の安全保障環境の変化に対応し、国防支出を大幅に増やしている現状を示した上で、台湾が8年間で1兆2500億元の予算を編制することは、民主主義と自由を守るための必要最低限の投資であると主張した。
この予算案の成立は、中国による軍事的圧力に対して、台湾が「自分の国は自分で守る」という強い意志を国際社会に示す重要なメッセージとなる。頼氏は、経済的繁栄という「ソフトパワー」を維持するためには、それを守るための「ハードパワー(国防力)」が備わっていなければならないと強調。国防強化は特定の政党の利益ではなく、全台湾国民の安全を保障するための超党派で取り組むべき国家責任であると訴えた。
良好な経済指標を政策執行の裏付けに
最後に触れられた昨年の経済的快挙も、本来的には「これほど堅実な経済力があるのだから、その恩恵を予算案の成立を通じて国民へ迅速に還元すべきだ」という論理構成に基づいている。2025年の経済成長率8.68%や加権指数3万3000ポイント突破は、予算案に盛り込まれた各種社会保障や産業支援策を支える確かな財政基盤を証明するものだ。
頼氏は、この好機を逃さず、軍公教の待遇改善や中小企業の競争力強化を確実に進めるためにも、立法院が速やかに総予算を審議・通過させるよう改めて要請。予算を巡る攻防を、国家の未来と国民の幸福を天秤にかけるべきではないとする政権側の強い意志を鮮明にしている。
[出典]
- 聯合報:賴總統讚去年台股亮眼 喊話立院總預算盡快審過「要為國家人民設想」
- Yahoo奇摩新聞:賴清德再喊話立法院:盡快通過總預算及國防特別預算
- 上報:賴清德再提去年經濟成長8.68% 籲藍白「好好審查預算」
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