頼清徳総統が就任1周年の演説 中国と対話の意思表明

 25年5月21日頼清徳台湾の頼清徳総統は20日午前、就任から1年を迎えた20日午前、総統府ロビーで「逆風を越えて転換し、着実に前進する」と題した演説を行い、この1年の成果と今後の展望について国民に語りかけた。海外メディアは、総統が米国との関税問題を和らげた表現で語ったことや、中国への軍事的備えを強調しつつも対話の意思を示した点に注目した。台湾の中央通信社が伝えた。

 総統は演説で、「民主台湾」「しなやかな精神」「団結の訴え」の3要素を強調した。これまでとは異なり、演説では両岸(台湾と中国)の問題に特別な比重を置かず、統一戦線工作への対応に言及するにとどまり、国の危機対応力を高めるための予算に、与野党を問わず幅広い支持を求めた。

 ロイター通信は「台湾は平和を望み中国との対話を期待、ただし防衛強化も必要」と題して、頼総統が演説で「戦争に勝者はいない」と述べ、台湾は中国との平和的対話を望んでいるが、同時に防衛力強化は継続する必要があると主張した点に焦点を当てた。

 AFP通信は「台湾の頼総統、就任1周年 政治混乱に直面」との見出しで報じ、頼政権は就任1年の節目を迎えたが、中国からの軍事的圧力、米国による関税の脅威、国内政治の混乱という三重の課題に直面していると指摘した。

 AFPはさらに、頼総統は記者会見で、民主主義を守ると改めて表明し「対等な尊厳が保たれるならば、中国との交流・協力に前向きだ」と指摘した。

 AP通信によれば、頼総統は米台間の貿易摩擦について「友人同士の間では摩擦もあるものだ」と述べ、ワシントンとの関税協議に楽観的な姿勢を示した。

◇出典
 
https://www.cna.com.tw/news/aipl/202505203001.aspx

https://www.cna.com.tw/news/aipl/202505190311.aspx
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