中国で失踪・拘束の台湾人402人 訪中リスクが高止まり
2026年7月29日、台湾で対中政策を所管する大陸委員会(陸委会)は立法院(国会)内政委員会で、中国渡航中に台湾住民が失踪や一時拘束、身柄拘束となった事案に関する統計を公表し、2024年1月1日から2026年7月22日までに本人や家族から届け出があった案件が累計402人に達したと明らかにした。
2025年は221人と2024年の55人から約4倍に急増し、2026年も7月22日までに126人が届け出られた。月平均では2024年が約4人だったのに対し、2025年は約18人、2026年も約16人と高い水準が続いている。陸委会は、中国への旅行や出張、交流活動に伴う人身安全上のリスクは依然として低下していないとして、渡航前に十分なリスクを認識するよう呼び掛けた。
公務員関連が約半数 私的旅行でも重点的に調査
対象者には学者や専門家、交流活動参加者、一般市民のほか、**現職または退職した公務員が全体の約50%**を占めた。陸委会は、公務員が私的な旅行で中国を訪れた場合でも、重点的な取り調べ対象となる傾向があると分析している。
また、必要に応じて旅行業界団体や航空会社、医療搬送機関、各地の台湾企業団体、勤務先企業などと連携し、中国側に個別案件の照会を行い、当事者への支援に当たっているという。
失踪154人、拘束216人 詐欺事件が最多
402人の内訳は、失踪154人、一時拘束や事情聴取32人、中国当局による拘束216人だった。
拘束案件では、詐欺事件が134人と最も多く、その他の刑事事件が58人、宗教関連が23人、国家安全関連が1人だった。陸委会は、本人の所在や事件の詳細が判明した場合には、実態に応じて案件分類を見直すとしている。
一時拘束事案では、観光地で写真撮影中に公安当局から事情聴取を受けたり、宿泊先ホテルで客室内の尋問を受け、荷物や携帯電話の内容、電子決済の利用状況まで確認されたりしたケースが報告された。
大陸委員会「実際の件数はさらに多い可能性」
陸委会によると、今回公表した402人は、本人や家族が大陸委員会や警察に届け出た案件を集計したものであり、実際の件数はさらに多い可能性があるという。
また、両岸の犯罪捜査協力協議では、中国側は台湾住民を刑事事件で拘束した場合、台湾側へ事件内容を通報することになっているが、陸委会は中国側が政治的理由から十分な情報提供を行っていないと指摘した。家族が安否を確認できず、詐欺被害との区別もつかない事例があるとして、中国へ渡航する際は人身安全上のリスクを十分認識し、トラブルが発生した場合は速やかに関係機関へ連絡するよう改めて呼び掛けた。
出典
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