頼清徳総統が台湾軍の実弾演習を視察 中国軍無人機は台東沖まで飛行

台湾軍は9月18日、南部・屏東県の九鵬基地などで実施した「三軍合同精密弾薬射撃演習」で、天弓3型防空ミサイルや米国製の高機動ロケット砲システム「HIMARS」、雄風3型対艦ミサイルなどを発射した。頼清徳総統が現地を訪れ、遠距離精密攻撃や防空、対艦作戦の訓練状況を視察した。

同日未明には、中国軍の無人機1機が台湾南西側から台湾東部の台東沖まで飛行した。台湾国防部が公表した航跡によると、無人機は午前0時5分から同6時まで活動した。台湾軍は任務機、艦艇、地上配備ミサイルシステムを使って監視、対処した。

無人機が飛行したのは台東沖で、射撃演習の拠点となった屏東県の九鵬基地とは異なる空域だった。中国軍機による演習への妨害や、台湾軍との接触、人的・物的被害は確認されていない。

天弓3型やHIMARSを相次ぎ発射

自由時報によると、18日の演習では、天弓3型防空ミサイル2発が標的の迎撃に使われた。その後、HIMARS、「スイッチブレード」無人攻撃機、台湾が自主開発した「獵鵂」攻撃型無人機などによる射撃が行われた。

スイッチブレードと獵鵂は海上の標的に対する攻撃訓練を実施した。最後には、超音速で飛行する雄風3型対艦ミサイルが発射され、東部海域に設定された目標区域に到達したという。

演習には陸海空軍に加え、台湾海巡署の部隊も参加した。防空ミサイル、対艦ミサイル、多連装ロケット砲、無人攻撃機を組み合わせ、異なる軍種の指揮・連絡や標的情報の共有、長距離攻撃能力を検証する狙いがある。

当初情報では演習は16~18日の3日間とされている。一方、自由時報は、台湾軍が9日から東部沖に3カ所の警戒区域を設定して関連演習を開始し、18日に主要な射撃を行ったと伝えている。準備や海空域の警戒を含む全体の日程と、主要射撃の日程をそれぞれ示している可能性があるが、公開情報だけでは日程の区分は確認できない。

頼総統、国防力強化を推進

頼総統は近年、中国軍の台湾周辺での活動を背景に、無人機やミサイルなどを活用する非対称戦力の整備を進めている。台湾の2027年度国防予算案は初めて1兆台湾元を超え、無人システム、人工知能、台湾独自の防衛産業を重点分野に据えた。

ロイター通信によると、頼政権は約21万機の軍用無人機を調達するため、6年間で2100億台湾元を投じる特別予算案も推進している。頼総統は、ウクライナや中東の戦闘で無人機の重要性が高まったとして、台湾の防衛力と無人機産業を同時に強化する必要性を訴えてきた。

今回の演習と同じ時間帯に中国軍無人機が台湾東部沖まで飛行したことについて、台湾側は通常の中国軍動向として航跡と対応を公表した。中国側による飛行目的の説明や、台湾軍の演習との関連を示す発表は確認されていない。

香港、中国本土、欧米の主要媒体では、18日午前の時点で今回の実弾演習と中国軍無人機の飛行を直接扱った独自報道を確認できなかった。このため、中国側の意図や両者の関連性は断定できない。

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