大阪・関西万博で台湾館を視察
台湾立法院長の韓国瑜氏は9月28日、超党派の立法委員11人を率いて大阪夢洲の2025年国際博覧会(大阪・関西万博)を訪れた。代表団は日本館や米国館などを巡った後、台湾館を視察した。
台湾館は1日平均4000人が訪れ、全180超の展示の中で主催者評価3位に入り、SNSでも高い話題性を誇る。館内は3つのテーマ展示区で構成され、560台のインタラクティブ装置や巨大な円柱型スクリーン、光の演出によって台湾の自然や生物多様性を体感できる仕掛けが施されている。来場者からは「印象に残る体験」との声が多く、国際舞台での存在感を示している。
韓氏は「美麗台湾大大感動」と記し、関係者の努力を称賛。「台湾館が国際社会で高く評価されるのは誇りであり、将来的に国内に移設し、国民も体験できるよう望む」と語った。
台商晩餐会で僑胞支援を強調
同日夜、韓氏は「日本関西台商協会」と「世界華人工商婦女企管協会日本関西分会」の合同晩餐会に出席した。世華の中西美姬会長は「僑胞は日台友好の橋渡し役を担う」と述べた。
韓氏は「台湾は人口も土地も大国に及ばないが、多様で強靱な生命力を示してきた。半導体大手TSMCから中小企業まで、世界に隠れたチャンピオンを育てている。僑胞の奮闘は敬服に値し、支援は超党派の共識である」と強調した。さらに「立法院は僑胞の堅実な後ろ盾となり、必要な支援を惜しまない」と付け加えた。
麻生太郎氏との会談
韓氏は25日には東京で自民党本部を訪問し、自民党最高顧問の麻生太郎氏、青年局長の中曾根康隆氏と会談した。麻生氏は台湾・花蓮の堰塞湖災害に見舞いを表し、「日台関係は自民党総裁選の結果に左右されない」と述べた。さらに「台湾は日本の重要なパートナーであり、台湾海峡の平和と安定は日本と国際社会に不可欠だ」と強調した。
韓氏は、日華議員懇談会の古屋圭司会長の招きを受けて訪日したもので、超党派の立法委員12人を率いて羽田空港に到着。駐日代表の李逸洋氏に迎えられ、日本が台風被害に寄せた支援への謝意を表明した。
中国外交部の強い反発
しかし中国外交部は26日、麻生氏と韓氏の会談に強く反発した。郭嘉昆報道官は定例会見で「日本の一部政治家が台湾問題で挑発を繰り返し、粗暴に中国の内政に干渉している」と批判。外交ルートを通じて日本に抗議した。
郭氏は「世界に中国は一つだけであり、台湾は中国領土の不可分の一部だ」と主張し、《カイロ宣言》や《ポツダム宣言》に基づき台湾返還が戦後秩序の一部であると強調した。今年は抗日戦争勝利80周年かつ台湾光復80周年であり、日本は歴史的責任を負うと訴えた。さらに「中日間の4つの政治文書の原則を順守し、台湾と公式往来を行ってはならない。中国人民の主権と領土を守る決意を過小評価するな」と強い警告を発した。