台湾世論調査:頼清徳政権の支持率35%未満、不賛同53% 内閣にも半数が不満

政治

頼清徳政権、支持率35%未満で低迷続く

台湾民意基金会(TPOF)は10月21日、頼清徳総統の最新支持率を発表した。
調査では「国家の重大事の処理方法」に賛同する人が全体の35%にとどまり、不賛同が53%に達した。不賛同は賛同を17.6ポイント上回り、依然として高水準の不満が続く。游盈隆理事長は「民意の不満は依然として高く、政権支持率は明確な回復を見せていない」と述べた。

回答の内訳は「非常に賛同」8.3%、「ある程度賛同」26.6%、「あまり賛同しない」25.4%、「まったく賛同しない」27.1%、「意見なし」8.2%、「分からない・拒否」4.4%。前月と比べると賛同率がわずかに上昇したが、顕著な改善には至っていない。不賛同率は5ポイント減少したものの、依然として過半を占めている。


支持基盤は独立派に偏重、社会的広がりに欠ける

政党別に見ると、民進党支持者の79%が頼総統を支持し、16%が不賛同。国民党支持者では賛同6.3%、不賛同87%、民衆党支持者では賛同7.4%、不賛同90%。無党派層でも賛同18%、不賛同55%と、野党支持層および中間層の多くが政権に批判的である。

また、独立派の58%が賛同する一方で34%が不賛同。現状維持派では賛同17%、不賛同72%、統一派では賛同8.5%、不賛同89%と開きが大きい。游理事長は「頼総統の支持層の約4分の3が独立派に偏っており、社会的支持基盤は限定的だ」と分析した。


卓榮泰内閣も苦境続く 不満が12.6ポイント上回る

行政院(内閣)の施政満足度では、「非常に満足」8%、「ある程度満足」28.1%、「あまり満足しない」21.3%、「全く満足しない」27.4%、「意見なし」9.1%、「分からない・拒否」6.2%。
不満が満足を12.6ポイント上回り、国民の半数近くが卓内閣の施政に否定的な見方を示した。

卓内閣は4月以降、7か月連続で低迷が続いているが、前月比では満足度が5.1ポイント上昇、不満が9.5ポイント減少し、評価の差は27.2ポイントから12.6ポイントへ縮小した。游理事長は「依然として厳しいが、政権支持はわずかに回復傾向にある」と述べた。


民進党は首位維持も、野党連合が依然優勢

政党支持率では、民進党が32.9%で首位を維持。国民党が21.9%、民衆党が14.4%で、両党を合わせた「藍白連合」が民進党を3.4ポイント上回った。
游理事長は「リコール運動後の政治的打撃を受けながらも民進党は回復基調にあるが、依然として野党連合に劣勢だ」と述べた。

国民党は党主席選挙で注目を集めたが、支持率は3.3ポイント下落。民衆党の黄国昌主席は「狗仔門」スキャンダルに直面したが、支持率は変動せず、結束力を示した。


政治的膠着長期化 統治困難脱却の兆し見えず

台湾政治の膠着は長期化している。リコール運動や外交課題に加え、米中対立、景気減速、物価高など複合要因が民意を圧迫している。游理事長は「抜本的な人事刷新や政策転換、総統外遊などのプラス要因がない限り、統治困難は当面続く」との見方を示した。

今回の調査は10月13~15日に全国の20歳以上を対象に実施。有効回答は1070件(市話750件、携帯320件)で、誤差は±3ポイント。内政部の最新統計に基づき地域・性別・年齢・学歴で加重補正した。


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