中国、台湾軍心理戦部隊に懸賞通告 米シンクタンク「新しい情報戦」と分析

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中国、台湾軍に懸賞通告 「国家分裂活動」と非難

中国がこのところ台湾を狙った懸賞通告を相次いで出している。国家安全部は10日、台湾国防部の情報機関に所属する3人を名指しし、顔写真や生年月日を公開した。翌11日には福建省廈門市公安局が、台湾軍の心理戦大隊の幹部18人を「国家分裂をあおった中心人物」と断定し、違法行為の手がかりを募る懸賞通告を出した。逮捕につながる情報には最高1万元(約1400米ドル)の報奨金を支払うとした。

公安当局は、対象者が宣伝サイトの運営や反政府的なゲームの制作、偽の映像拡散などを行い「社会を混乱させた」と主張している。


米シンクタンク「中国の新しい認知戦」と分析

ワシントンのシンクタンク、米アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)は、今回の懸賞通告を「中国が仕掛けた新しい認知戦の一つ」とみている。北京は、台湾の軍や政府、社会の中に「中国のスパイがどこまで入り込んでいるのか」という不安や疑いを広げ、仲間どうしの信頼を壊して混乱を起こそうとしていると分析している。

AEIによれば、こうした手法は軍事的圧力ではなく心理的影響を狙うもので、台湾社会の団結を弱めることを目的としている。中国は近年、SNSや報道を使った情報操作を強化しており、今回の懸賞通告もその延長線上にあるとみられる。


台湾政府「社会分断を狙う稚拙な作戦」

台湾国防部は同日声明を出し、「全体主義体制の傲慢で頑迷な考えに基づく認知戦だ」と強く反発した。声明では、中国が官製メディアを通じて繰り返し「通報」や「告発」を出していることを挙げ、台湾の自由な社会の情報流通を悪用して、個人情報をつぎはぎし偽造していると指摘した。

国防部は「国家の安全を守り、国民の生活を守るのはすべての軍人の責任だ」と強調し、国民に国防支援と防衛力強化への協力を呼びかけた。


台湾社会と国際社会に広がる警戒

台湾国内では、中国が進める認知戦や心理戦に対する警戒感が強まっている。頼清徳総統は10日、中国に「武力による台湾奪取を放棄せよ」と呼びかけ、防衛力をさらに強化する方針を示した。これに対して中国政府は「戦争の火付け役」などと反発し、言葉の応酬が続いている。

国際社会でも、中国の懸賞通告は民主主義への挑発とみなされ、米欧諸国が台湾支援を強めている。軍事行動に至らない認知戦の拡大は「ハイブリッド戦」として警戒が広がっている。


背景に国内不安と対外強硬姿勢

中国が懸賞通告を外交と宣伝の手段として使う背景には、国内経済の停滞と国際的な孤立がある。半導体規制や景気減速で不満が高まる中、台湾への強硬姿勢を示すことで国内の支持を固める狙いがあるとみられる。北京は軍事的圧力と並行して、認知戦を通じた心理的影響力の拡大を進めており、今後も同様の発表が続く可能性がある。

[出典]
https://www.cna.com.tw/news/aipl/202510210012.aspx
https://www.cna.com.tw/news/acn/202510110087.aspx?utm_source=chatgpt.com
https://www.theguardian.com/world/2025/oct/11/china-issues-rewards-for-information-about-taiwan-militarys-psychological-warfare-unit?utm_source=chatgpt.com

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