中国国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は2026年9月16日、北京で開いた定例記者会見で、中国側が「台湾独立強硬派」に指定した人物について、必要なあらゆる措置を講じ、法に基づいて処罰するとともに、終身にわたり責任を追及すると改めて表明した。発言は、台湾の民進党から台北市長選への立候補を予定する沈伯洋・立法委員に関する質問への回答として出た。
朱氏は「一つの中国原則は国際社会の普遍的な共通認識であり、祖国統一の流れは阻止できない」と主張。「リストに掲載された台湾独立強硬派を決して容赦しない」と述べた。中国側は、具体的にどの法律を適用し、どのような手続きを取るのかについては今回の会見で説明していない。
訪日時の防弾ベストを批判
沈氏は先に日本を訪れた際、行事への出席時やランニング中に防弾ベストを着用していたことが台湾で報じられた。沈氏は、国外では基本的に防弾ベストを着用しており、米国訪問中もほぼ常時着ていたと説明。「中国に指名手配されている」として、安全確保が必要だとの認識を示していた。
これに対し朱氏は、沈氏を名指しせず、「一部の台湾独立強硬派」が「荒唐無稽な茶番を繰り返し、世間の注目を集めようとしている」と批判した。
台湾の大陸委員会は同日夜、中国側の発言について「脅迫の対象は沈伯洋氏個人ではなく、台湾人民全体だ」と反発した。沈氏の選挙事務所も、中国側が「必要なあらゆる措置」や「終身追及」を公然と掲げる以上、脅威を軽視することはできないと表明した。
父親の企業にも取引禁止措置
中国側は2024年10月14日、沈氏と実業家の曹興誠氏を「台湾独立強硬派」のリストに追加し、両氏とその家族の中国本土、香港、マカオへの入境を禁止した。沈氏が共同創設した民間防衛教育団体「黒熊学院」も制裁対象とした。
さらに2025年6月には、沈氏の父親が責任者を務める台湾企業「兆億有限公司」に対し、中国本土の組織、企業、個人との取引や協力を禁止した。中国側は、同社を沈氏の「関連企業」と位置付けた。
欧米では、AP通信がこの企業への制裁を報道。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは同年、中国当局が沈氏を国家分裂犯罪の疑いで捜査すると表明したことについて、中国本土外の政治活動に刑事法を適用しようとする動きだとして疑問を呈した。今回の9月16日の発言については、確認時点で欧米主要メディアによる独自の詳しい報道は見当たらなかった。
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