台湾の行政院(内閣)は9月3日、2026年度中央政府総予算の追加予算案を閣議決定した。国防部の追加額は1456億9620万8000台湾ドルで、このうち軍事投資費1334億元のほぼ半分に当たる645億元を、名称や内容を公表しない2件の機密計画に充てる。追加予算案は今後、立法院(国会)で審議される。
行政院と国防部は、2件の計画名や個別の予算額を明らかにしていない。台湾紙・自由時報は、国防部が4月に立法院へ提出した「防衛強靱性および非対称戦力強化計画調達特別条例」の公開資料と照合し、台米共同研究・調達による装備・システムと、人工知能(AI)を使った意思決定支援システムである可能性が高いと報じた。ただし、これは公開資料に基づく同紙の分析であり、台湾政府が計画内容を正式に確認したものではない。
台米共同研究・調達に640億元を計画
国防部が4月に公表した当初の特別予算計画では、台米が共同で研究・調達する装備やシステムに640億元を充てる項目があり、詳細は機密とされていた。今回の2件計645億元の大部分を占める可能性がある。
軍事問題の専門家、梅復興氏は5月、640億元という規模などから、米国の2025会計年度国防権限法に盛り込まれた「台湾安全保障協力イニシアチブ(TSCI)」と関係する可能性があるとの見方を示した。梅氏によると、台湾と米国が資金を拠出する枠組みを設け、台湾が通常の調達では入手しにくい装備を確保する構想が考えられる。ただし、これも専門家による推測であり、具体的な装備や契約形態は確認されていない。
台湾の国家中山科学研究院は米企業との防衛技術協力を進めており、米クレイトスと攻撃型無人機「勁蜂4型」、米アンドゥリルと低コストの自律型ミサイルを共同開発している。しかし、これらの事業が今回の機密予算に含まれるかどうかは公表されていない。
AIによる意思決定支援も候補
もう1件の候補とされるのが、当初の特別予算計画で「AI支援・C5ISRシステム」に分類されたAI意思決定支援システムである。C5ISRは、指揮、統制、通信、コンピューター、サイバー、情報、監視、偵察を統合する仕組みを指す。
当初計画では「AI支援・C5ISRシステム」全体に100億元を予定し、AI意思決定支援システムの細部を機密扱いとしていた。台湾戦術ネットワーク(TTN)と部隊状況認識用アプリケーション(TAK)も同じ分野に含まれていたが、今回の追加予算では、戦術ネットワークを通じて異なる領域の情報を統合する事業に9億元が別途計上された。
機密計画は軍事投資費の48%
国防部の追加予算1456億9620万8000元は、軍事投資費1334億元、弾薬補充や戦術ネットワーク整備などの運用維持費82億元、軍人の待遇改善などの人件費41億元で構成する。
軍事投資費では、機密2計画の645億元が最大で、同費用の約48%を占める。このほか、沿岸監視・偵察用無人機、沿岸攻撃型無人機、小型自爆無人艇の3計画に559億元、中層対戦術弾道ミサイルシステムなど7項目に130億元を計上した。
追加予算全体については行政院が内容を公表した一方、機密2計画は合計額以外の内訳が示されていない。計画の正式名称や個別の金額、導入する装備・システムは、現時点で確認できていない。
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