トランプ氏、1週間で2度目の「頼清徳氏と話す」発言
米国のトランプ大統領は20日、台湾への新たな武器売却決定を前に、台湾の頼清徳総統と対話する考えを改めて示した。トランプ氏が頼氏との対話意思を公に表明するのは、1週間で2度目となる。台湾問題を巡る米中間の緊張が高まる中、米台関係の強化を印象付ける発言として注目を集めている。
トランプ氏はワシントン近郊メリーランド州のアンドルーズ統合基地で、大統領専用機「エアフォースワン」搭乗前に記者団の質問に答えた。記者から「対台軍売却を決定する前に頼総統と電話会談する予定はあるか」と問われると、「彼と話す。私は皆と話す」と述べた。さらに、「われわれは状況を十分把握している。習近平国家主席とも非常に良い会談を行った。台湾問題は処理する」と語った。
トランプ氏は先週の訪中後にも、「台湾を統治している人物」と話す考えを示していた。台湾側はこの発言を頼氏への言及と受け止めており、今回の発言で事実上それを確認した形となった。
ホワイトハウス高官はその後、「トランプ大統領は短期間のうちに新たな対台軍売却案件について決定する」と説明した。さらに、2025年12月には111億ドル(約1兆7641億円)規模の対台軍売却を承認したことを明らかにし、「1950年代以来の米国政策に沿ったものだ」と強調した。
トランプ政権は台湾向け軍売却を対中圧力カードとして積極活用している。米台商業協会(US-Taiwan Business Council)の統計によると、第1次トランプ政権の対台軍売却総額は182億7800万ドルに達し、歴代米政権で最大だった。第2次トランプ政権も、発足1年目時点で114億3500万ドルを承認し、バイデン前政権4年間の累計を上回っている。
台湾側は歓迎 頼氏「台湾を併呑する権利を持つ国はない」
これに対し、頼氏は20日の就任2周年記者会見で、「機会があれば台湾社会の声を伝える責任がある」と述べ、トランプ氏との対話に前向きな姿勢を示した。
頼氏は、「台湾は台湾海峡の平和と安定の守護者だ」と主張する一方、「中国こそ台湾海峡の平和と安定を破壊している」と批判した。中国が東シナ海や南シナ海で軍備拡張を進め、西太平洋まで軍事演習を拡大していることに言及し、「地域の緊張を高めているのは中国側だ」との認識を示した。
また、「中華民国台湾は主権独立国家であり、台湾を併呑する権利を持つ国はない」と強調した。さらに、「台湾人民による民主と自由の追求は挑発と見なされるべきではない」と述べ、民主主義陣営との連携強化を進める考えを示した。
台湾与党・民進党立法院(国会)議員団も21日、「実現すれば歴史的突破となる新たな進展だ」と歓迎した。范雲幹事長は、「トランプ氏が2度にわたり頼総統との通話に言及したことは、米国の態度が極めて明確であることを示している」と指摘した。
その上で、「米国の対台軍売却は台湾と協議して決めるものであり、いかなる脅迫も受け入れないという意味だ」と強調した。中国側が対台軍売却問題を巡り、米高官の訪中延期などで圧力を強めているとの観測についても、「中国が再び反発しても驚きではない」と述べた。
米中対立の焦点として存在感増す台湾
台湾問題は現在、米中戦略対立の最大の焦点の一つとなっている。中国は台湾を「核心的利益」と位置付け、軍事圧力を強めている。一方、米国は台湾関係法と「6つの保証」を根拠に、防衛支援を継続している。
特にトランプ政権は、半導体供給網やインド太平洋戦略の観点から台湾重視を鮮明にしている。台湾積体電路製造(TSMC)を中心とする先端半導体産業は、米国の経済安全保障政策でも重要性が急速に高まっている。米国が台湾支援を強める背景には、単なる安全保障だけでなく、先端技術供給網を巡る主導権争いもある。
一方、中国側は米台接近を「一つの中国」原則への重大挑戦とみなし、軍事演習や外交圧力を強化している。台湾海峡問題は今後も米中関係全体を左右する最大級の火種として国際社会の注目を集めそうだ。
[出典]
- VOA中国語「Trump says will speak with Taiwan President Lai Ching-te」
- 自由時報「川普稱將與賴清德通話 民進黨團:突破歷史新進程」
- 中央通訊社「川普稱將和賴總統談話 白宮官員:很快就軍售做決定」
- 聯合報「川普稱將與賴清德通話相關報導」
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