高市総裁、新体制で「日華懇」幹部を重用
日本自民党総裁の高市早苗氏は7日、党内の主要ポスト「党四役」など幹部人事を正式に決定し、臨時総務会で承認した。今回の人事では、台湾に友好的な議員連盟「日華議員懇談会(日華懇)」の主要メンバーが次々と要職に就任し、新政権の外交方針にも影響を与える構図が鮮明になった。
総務会長には有村治子氏、選挙対策委員長には古屋圭司氏が就任。両氏はいずれも高市氏を支持してきた側近であり、有村氏は日華懇の副幹事長を務める。幹事長には鈴木俊一氏、政務調査会長には小林鷹之氏が就任した。
旧安倍派の有力議員・萩生田光一氏も幹事長代行に起用され、同氏は日華懇の幹事長として知られる。さらに、内閣官房長官に内定した木原稔氏も日華懇の事務局長であり、台湾との議会外交を担う中心人物だ。
日華懇、双十節で訪台 高市氏との連携アピール
台湾の建国記念日「双十節」(10月10日)を前に、日華懇は古屋圭司会長を団長として9〜10日に代表団を派遣する。約30人の国会議員が参加し、賴清徳総統との会談が予定されている。
古屋氏は取材で「高市氏は台湾と極めて親しい関係にある」と強調。高市氏はこれまで日華懇副会長として台湾との交流を重ねており、2025年5月にも台北を訪問している。
高市氏は初の総裁選出馬時に蔡英文総統とオンライン対談を行い、台湾側からも幅広い支持を得た経緯がある。今回の訪台団派遣は、高市政権下での日台関係強化を象徴する動きとみられる。
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林佳龍外相が極秘訪日 日台信頼関係を確認
台湾外交部長(外相)林佳龍氏は7月下旬、妻の廖婉如氏とともに私的訪問として日本を訪れた。大阪万博会場を視察した後、東京で高市早苗氏、古屋圭司氏、木原稔氏、自民党青年局長の中曽根康隆氏らと会談した。
訪問は非公開だったが、後に報道で明らかになり、中国政府は「日本が台湾当局の訪問を容認した」と非難。これに対し、日本政府は「台湾側が私的訪問と説明しており、コメントしない」との立場を貫いた。
この一件は、日台間の信頼と慎重な外交バランスを象徴する出来事として注目を集めた。
「安倍路線を継承」 高市政権に台湾側も期待
台湾の駐日代表・李逸洋氏は「高市氏は安倍晋三氏の外交路線を継承し、自由で開かれたインド太平洋を重視するだろう」と述べ、「日台関係は今後さらに包括的に発展する」と期待感を示した。
一方で、高市氏は靖国神社の秋季例大祭(17〜19日)での参拝を見送る方向で検討している。首相就任を控え、中国や韓国との関係を考慮した外交的配慮とみられる。
外部リンク:自由時報:日華懇團連年訪台慶雙十 古屋圭司:高市與台關係密切
外部リンク:旺報:日華懇雙十訪台 會晤賴總統
トランプ氏が祝意 「日本初の女性首相誕生」
米国のドナルド・トランプ大統領は6日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で「日本初の女性首相誕生を祝う」と投稿。「高市氏は尊敬され、知性と実行力を兼ね備えた人物」と称賛した。
トランプ氏は今月27〜29日に訪日予定で、28日に日米首脳会談(「トランプ―高市会談」)を開催する方向で調整が進められている。
日本では15日に臨時国会が召集され、首相指名選挙が行われる予定。高市氏はこの手続きを経て正式に日本初の女性首相となる見通しだ。
古屋氏「高市氏と台湾の絆は特別」
古屋圭司氏は「日華懇の活動は台日の信頼を基盤にしており、高市政権でそれは一層強化される」と述べた。台湾との連携を軸に、アジア地域での民主主義ネットワークの構築が今後の焦点となる。