台湾の対米外交が連続失敗 米が中国との交渉重視

725年7月31日トランプ2

 英フィナンシャル・タイムズ(FT)は7月30日、台湾の対米外交が連続して失敗したと報じた。まず、台湾の頼清徳総統が8月にパラグアイを訪問する際、ニューヨークでの米国経由を計画したが、米国のトランプ政権が中国の反対を受け入れ拒否した。6月には台湾の顧立雄国防相がワシントンを訪問し、コルビー米国防副長官と会談することを予定していたが、直前に米側が中止したことが判明した。米側は「イランへの軍事行動で多忙」と説明したが、トランプ大統領が中国との通商交渉や習近平主席との首脳会談実現を重視していたことが背景とみられる。ドイツの国際公共放送ドイチェ・ベレ(DW)が伝えた。

 FTの記事は、1979年の米中国交樹立以来、台湾の国防相がワシントンを公式訪問した前例がなく、米国がこの不文律を維持したと指摘する。匿名の米政府関係者は、台湾国防相の訪米を許せば中国の圧力を無視する意思を示すことになると述べた。台湾の駐米代表事務所は軍事交流に関するコメントを拒否し、ホワイトハウスも沈黙した。

 米国の研究者エバン・メディロス氏は、この中止は「中国本土への抑止力を弱め、台湾指導者を不安にさせる」と警告。台湾国内の士気にも影響すると分析した。台湾は米国の強い要請を受けて武器購入を増やし、対中防衛能力を高めてきたが、ホワイトハウスは中国との貿易協定を優先し、8月1日発効予定の32%関税回避を目的とした交渉を進めている。

 米中央情報局(CIA)元中国担当高官デニス・ワイルダー氏は、現在の米政府内で台湾の支持者が減少していると指摘。トランプ第1次政権における副国家安全保障顧問ポッティンジャー氏やや国務長官ポンペオ氏のような強い支持者がいないと述べた。こうした状況は台湾にとって外交的打撃であり、米中関係の影響を強く受ける立場を浮き彫りにしている。

◇出典

https://www.dw.com/zh/%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E8%BF%9E%E7%BB%AD%E4%B8%A4%E6%97%A5%E8%A2%AB%E6%9B%9D%E5%A4%96%E4%BA%A4%E6%8C%AB%E6%8A%98%E8%B5%96%E6%B8%85%E5%BE%B7%E9%81%AD%E6%8B%92%E8%BF%87%E5%A2%83%E9%A1%BE%E7%AB%8B%E9%9B%84%E4%BC%9A%E6%99%A4%E8%A2%AB%E5%8F%96%E6%B6%88/a-73467792
タイトルとURLをコピーしました