中国、台湾海峡に新航路 台湾「一方的な現状変更」と抗議

25年7月7日4 ドイツの国際公共放送ドイチェ・ベレ(DW)によると、中国民航局は6日、台湾海峡を南北に貫くM503航路から新たに西から東へ向かう支線「W121」を即日運用開始すると発表した。W121は「台湾海峡中間線」の西側に位置し、これまでのW122、W123に続く3本目の延伸ルートとなる。

 台湾の大陸委員会(陸委会)は同日、「中国が一方的に現状を変える行為であり、現状を破壊するものだ」と非難し、地域と両岸関係の安全を深刻に脅かしかねないと警告した。

 中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の陳斌華報道官は、書面回答の形で「この航路設定と運用は大陸(中国本土)側の民航空域管理の通常業務だ」と強調。関係地域の航空便増加に伴う混雑緩和を理由に挙げ、「飛行安全を確保し、遅延を減らすもので、双方住民にとって利益になる」と説明した。

 台湾側の警戒の背景には、航路の「中間線」接近がある。M503は「台湾海峡中線」から約4.2海里(約7.8キロメートル)しか離れておらず、今回のW121など西側から東への接続ルートの追加で、福建省福州、アモイ発の便は従来より北へ迂回せず、海峡中線近くを直進する形になる。これにより台湾側の空防監視・迎撃までの時間は大きく短縮される。

 台湾国防安全研究院の蘇紫雲・国防戦略与資源研究所長は台湾メディア「聯合報」に対し、「中国側が一方的にW121を運用開始することで、台湾の空防の縦深や早期警戒時間を圧縮し、実質的に中間線を消し去ろうとしている」と分析。「安全運航にも深刻な影響を及ぼす」と指摘した。

◇出典

https://www.dw.com/zh/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E6%B0%91%E8%88%AA%E5%90%AF%E7%94%A8%E5%8F%B0%E6%B5%B7%E6%96%B0%E8%88%AA%E7%BA%BF-%E9%99%86%E5%A7%94%E4%BC%9A%E7%A7%B0%E5%8D%95%E6%96%B9%E9%9D%A2%E6%94%B9%E5%8F%98%E7%8E%B0%E7%8A%B6/a-73174912
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