台湾、選挙前の不法資金212件を摘発 588人関与、犯罪収益9億台湾ドル超を差し押さえ

台湾高等検察署は9月8日、11月28日の統一地方選挙を前に、台湾全土で実施した不法資金の集中摘発で、212件を摘発し、588人を捜査対象としたと発表した。75人が裁判所の決定で勾留され、229人が保釈された。現金や銀行口座にあった犯罪収益は計9億906万台湾ドル余りに上った。

摘発は8月17日から9月4日まで実施された。各地方検察署の検察官が、法務部調査局の各地方機関、内政部警政署刑事警察局、各県・市の警察を指揮し、台湾全土で捜査を進めた。容疑は銀行法、マネーロンダリング防止法、刑法の賭博罪などに違反した疑いで、勾留や保釈以外の被疑者には住居制限などの措置が取られた。

暗号資産や不動産も差し押さえ

当局は現金と銀行口座の犯罪収益に加え、米ドル連動型暗号資産「テザー(USDT)」約39万USDT、車両20台、不動産36件を差し押さえた。携帯電話、タブレット端末、パソコン本体などの電子機器は計850点、高級バッグや腕時計、金製品などは計約100点に上った。

台湾高検は今回の摘発を2026年の第1次不法資金摘発作戦と位置付けた。今後も各地方検察署を指揮し、国外から流入する資金による選挙介入や地下金融を捜査するとともに、詐欺、賭博、マネーロンダリングで得た犯罪収益の没収を進めるとしている。

ただし、発表された212件は選挙介入そのものを摘発した件数ではなく、選挙への不法資金流入を防ぐ目的で摘発した地下金融、賭博、マネーロンダリングなどの事件数である。差し押さえた約9億906万台湾ドルの全額が選挙介入に使われたと確認されたわけでもない。このため、「選挙介入資金を9億台湾ドル押収」とするより、「選挙前の不法資金摘発で犯罪収益9億台湾ドル超を差し押さえ」とするのが正確である。

境外勢力介入など4分野を重点捜査

台湾の検察当局は5月25日、統一地方選挙に向けた捜査体制を発足させた。法務部の鄭銘謙部長は、重点分野として、買収と暴力、選挙賭博、人工知能(AI)による偽動画・偽情報、境外敵対勢力による選挙介入の4項目を挙げた。

検察当局は境外勢力について、人の移動、資金の流れ、情報の拡散を分析し、正常な交流と違法な選挙介入を区別して捜査する方針を示している。選挙賭博は結果や得票数を対象とする賭けを通じ、候補者への支持動向や選挙結果に影響を及ぼす恐れがあるとして、関連する地下資金と併せて摘発対象としている。

2026年の統一地方選挙では、約1965万人の有権者が11月28日に投票し、首長や議員、村・里長など計1万1051人を選ぶ。候補者登録は9月4日に締め切られた。

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(2026年9月8日)
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