頼清徳氏「防衛強化は戦争抑止」 中国は国慶演説を非難

台湾の頼清徳総統は10月10日、台北の総統府前で行った国慶演説で、防衛への投資拡大は戦争を抑止するためだと述べ、中国との対話を断念するものではないと強調した。中国側は台湾独立の立場を維持し、中国の脅威を誇張していると非難し、台湾海峡の現状と防衛政策をめぐる双方の隔たりが改めて表れた。

頼氏は、中国が軍事活動や、武力衝突には至らない「グレーゾーン」の行動を通じて圧力をかけ、台湾海峡の現状を変えようとしていると指摘した。台湾は平和を大切にする一方、自由を放棄せず、交流に応じても従属は受け入れないと述べた。

防衛政策では、国防改革を続け、相手の優位な戦力に対抗する「非対称戦力」と台湾独自の防衛産業を強化する方針を示した。半導体、情報通信、精密製造の技術を防衛に生かすとした。

また、中央政府、地方政府、民間が連携し、危機の際にもエネルギー、通信、交通、金融、食料、医療の機能を維持できるよう備えると説明した。防衛力を強化する目的は、対等で尊厳のある条件の下で対話を行えるようにすることだと述べた。

中国は「現状」の定義で反論

中国国務院台湾事務弁公室は10日、演説が事実をゆがめ、台湾独立の考えを示していると批判した。「世界に中国は一つしかなく、台湾は中国の一部だ」とする自国の立場こそ台湾海峡の現状だと主張した。台湾の将来は台湾住民を含む中国人全体で決定すべきだとした。

中国国防省の陳曦報道官も11日、頼氏が軍事力と外部勢力を頼りに独立を目指し、両岸の対立をあおっていると非難した。中国軍による台湾周辺の常態的な演習は、台湾独立の動きと外部の干渉を抑止するためだと説明した。

頼氏は演説で、米中が対話によって競争を管理し、衝突や戦争の危険を減らすことを歓迎すると述べた。一方、台湾住民の生存する権利を尊重し、インド太平洋の民主主義国が協力して平和と安定を維持するよう求めた。

ロイター通信によると、米政権高官は頼氏の平和と安定への姿勢を歓迎し、恒例の演説を威圧的な行動の口実にしてはならないと述べた。中国外務省は12日にも、台湾海峡の両岸は一つの中国に属することが現状だと重ねて主張した。

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