台湾では人口構造の変化に伴う労働保険(労保)と全民健康保険(健保)の財政悪化が課題となっている。財政部の委託研究は、人口構造の影響で中央政府の歳入が2024年の2.9兆台湾ドルから2070年には1.6兆台湾ドルへ減少し、財政支持率も低下すると推計している。
労保は、保険加入者数の減少と老齢年金受給者の増加により、保険料収支の赤字が拡大する見通しである。赤字額は2035年に5,786億台湾ドル、2055年には約1.41兆台湾ドルに達すると見込まれている。2025年の労保保険料収支赤字は707.26億台湾ドルで、潜在債務は約14兆台湾ドルとされる。政府による補填がなければ、2031年に基金が枯渇する可能性がある。
健保も、現行制度を維持した場合、将来の財政均衡に必要な保険料率が大幅に上昇するとの試算が示されている。専門家は、保険料率の見直し、政府拠出の制度化、年金制度の統合などを提案している。
