台湾の基隆地方検察署は8月24日、米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の高性能GPU「B300」を搭載した米Supermicro(美超微電脳)のAIサーバーを中国へ違法に転売したなどとして、NVIDIA台湾法人のマネジャーやSupermicro台湾法人の幹部、台湾企業の関係者ら計9人を起訴した。うち8人がAIサーバーの転売を巡り、背任や文書偽造などの罪に問われた。検察によると、130台を購入し、うち74台が中国に転売され、不法利益は2120万5531米ドル、約6億7518万台湾元に上った。
購入先に「台湾で使用」と説明
対象となったのは、NVIDIAのB300 GPUを搭載したSupermicro製の高性能AIサーバー。NVIDIAとSupermicroは製品の販売先や最終利用者、用途を厳格に管理しており、購入者はNVIDIAの審査を受けて「ホワイトリスト」に入る必要がある。8台以上を購入する場合は、現場調査も行われる。
検察によると、台湾の貿易会社、飛虎科技の関係者らは2025年からサーバーの転売を計画した。台湾のデータセンター事業者、是方電訊の施設に130台を設置する計画であるかのように装ったが、同施設の電力や通信帯域では実際には130台を稼働できなかったという。
NVIDIA台湾法人の張姓のシニア・パートナー・マネジャーは、こうした事情を把握しながら、NVIDIA本社側に現場確認を終えたと報告し、注文の承認を得た疑いが持たれている。検察は張氏をサーバーの販売承認に関わった中心人物とみている。
74台を中国へ、残る56台は輸出できず
130台のサーバーは3段階に分けて引き渡された。検察によると、このうち74台は中国企業に転売された。台湾から中国へ直接送ったほか、インドネシアや日本など第三国・地域を経由する方法も使われたとされる。香港を経由したケースも報じられている。
一方、第3段階で引き渡された残り56台は輸出前に異常が発覚し、輸出を完了できなかった。公視によると、この56台は2026年4月に日本へ輸出される段階で問題が発覚した。
飛虎科技側が74台を転売して得た不法利益は2120万5531米ドル、約6億7518万台湾元に達したとされる。検察は、貨物の実際の購入資金が中国企業から出ていたにもかかわらず、関係者がこれを隠したとみている。
NVIDIA、Supermicro台湾法人の社員も起訴
起訴されたのはNVIDIA台湾法人の張姓マネジャーのほか、Supermicro台湾法人の業務担当幹部、飛虎科技、上場企業の青雲国際科技、是方電訊などの関係者。検察はAIサーバーの転売事件について8人を背任、文書偽造などの罪で起訴した。
さらに、青雲国際科技の資産約3915万台湾元を不正に流出させたとされる別の事件も併せて捜査され、関係者が証券取引法違反などの罪に問われた。このため、事件全体の起訴人数は9人となっている。検察は張氏ら4人について、法定刑の上限となる懲役5年を求刑するよう裁判所に求めた。
なお、台湾メディアの初報では「8人起訴」と「9人起訴」の表記が混在している。基隆地検の捜査内容を詳報した報道を総合すると、AIサーバー違法転売事件で8人が起訴され、別件の青雲国際科技を巡る事件を含めた起訴対象者は計9人と整理できる。
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