米中首脳会談、台湾が最大焦点に 武器売却巡り攻防
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談(川習会)が14日、北京の人民大会堂で始まった。9年ぶりの米大統領訪中となる今回の会談は、イラン情勢や経済開放に加え、台湾への武器売却問題が最大の焦点となっている。台湾の聯合新聞網などが14日伝えた。
トランプ氏は昨夜、大統領専用機「エアフォースワン」で北京に到着した。中国側からは韓正国家副主席が迎えに出たが、これは2017年の第1期目の訪問時よりも高い格付けでの接遇であった。トランプ氏が専用機を降りてレッドカーペットを踏むと、中国側が手配した三軍儀仗隊や軍楽隊、そして両国の国旗を振る約100人の若者たちが「歓迎!歓迎!熱烈歓迎」と叫びながら出迎えた。
トランプ氏は会談に先立ち、対台湾武器売却について習氏と議論する意向を漏らした。だが、米国には台湾に対し「武器売却について中国と事前に相談しない」と約束した「6つの保証」がある。トランプ氏がこの問題を交渉のテーブルに乗せること自体が、従来の外交方針に抵触する恐れがあり、台湾側では安全保障が米中の「交渉材料」とされることへの警戒が強まっている。
中国政府は、台湾問題は「米中関係の政治的基礎」であり、扱いを誤れば関係に「激震が走る」と繰り返し警告してきた。特に北京側は、台湾の立法院(国会)が会談直前に可決した7,800億元の国防特別予算を、米側が中国から譲歩を引き出すための「強力な手札(交渉材料)」にしているとみて反発。米国による台湾の「武装化」阻止を掲げ、強硬な姿勢で首脳会談に臨む構えだ。
一方、台湾与党の民進党議員団は「台米関係は長期的な信頼に基づいており、一度の会談や誰かの発言で左右されるほど脆弱ではない」と述べ、台湾が交渉材料にされる事態を強く牽制した。その上で、他国の意向に依存せず自国を守り抜くため、国防の自主性強化こそが重要であると改めて訴えた。
台湾問題を巡る三つの側面での攻防と背景
今回の川習会において、北京側は最近の動向から以下の3つの側面で立場を示すものとみられる。
第1に、台湾問題は「中米関係の政治的基礎」であり、処理を誤れば「地動山揺(激震が走る)」ことになるとの強調である。米国に対し、一つの中国原則や3つの共同公報の遵守を求めるだけでなく、立法院で可決された巨額の国防予算を「米側の切り札」と断定し、台湾の武装化阻止を最優先課題に据えている。これに先立ち、中国はすでに複数の米軍事関連企業への制裁や「デュアルユース品目」の輸出禁止措置を講じており、実力行使も辞さない姿勢だ。
第2に、台湾の国際的地位を戦後の国際秩序と結びつける論理の展開である。中国は最近、カイロ会議の会場となったエジプトのホテルに、台湾の返還を戦後秩序の構成要素とする碑を建立した。王毅外相が以前「台湾の地位は7重にロックされている」と主張したように、歴史的経緯を盾に台湾の国際空間を封じ込める論理を、会談の場でも提示する見通しだ。
第3に、中台関係は必ずしも米中関係に完全に依存するものではないという姿勢の誇示である。北京は会談に先立ち「両岸中華文化サミット」を開催するなど、民間・文化レベルでの「一家人(家族)」としての対話を強調している。これは、対米交渉とは別に、台湾内部への浸透を図る多角的な戦略の一環である。さらに、ロシアやミャンマーなど他国との外交を通じた「中国統一への支持」を取り付ける「奥の手」も用意しており、国際社会を巻き込んだ包囲網を形成している。
経済開放と米ハイテク企業の戦略的思惑
今回の訪中には、エヌビディア(Nvidia)のジェンスン・ファン(黄仁勳)氏やテスラ(Tesla)のイーロン・マスク氏など、米国を代表するハイテク企業の最高経営責任者(CEO)たちが同行している。トランプ氏は習氏に対し、米国企業への中国市場の開放を強く促す方針を隠していない。
産業構造の観点から見れば、エヌビディアやテスラにとって中国は巨大な市場であると同時に、半導体やEVバッテリーのサプライチェーンにおいて重要な拠点である。米側が台湾問題で揺さぶりをかける一方で、経済界は中国市場へのアクセス維持と規制緩和を求めており、トランプ政権は「安全保障」と「実利」の間で高度なバランスを強いられている。トランプ氏が習氏を「偉大な指導者」と持ち上げる一方で市場開放を迫るのは、こうした経済的実利を最大化させるための計算された演出といえる。
対する中国側も、米国企業の誘致を通じて技術封鎖を打破したい思惑があり、台湾問題を「カード」として経済的な譲歩を引き出す可能性も否定できない。ルビオ国務長官が制裁対象でありながら北京で習氏と握手を交わした事実は、双方が実利のために過去の経緯を一旦棚上げし、極めて現実的な取引(ディール)を行おうとしていることを象徴している。
台湾当局の懸念と「国防自主」の決意
台湾外交部の呉志中政務次長は、台湾が会談の「メニュー(交渉材料)」に載せられることに強い懸念を表明した。民進党立法院党団書記長の范雲氏は、台米関係が安全保障、経済、技術の多方面にわたる長期的な制度的関係であることを強調しつつ、台湾が努力すべきは「誰が何を言ったか」に一喜一憂することではないと断じた。
范氏の指摘する「国防の自主性」や「非対称戦力」の強化は、米中という「2頭の象」の争いに巻き込まれないための生存戦略である。巨額の国防予算案の可決も、米側への交渉材料提供という側面だけでなく、自力更生の姿勢を国際社会に示す狙いがある。民進党団幹事長の荘瑞雄氏が、大国同士が対話している状況を「争っているよりは懸念が少ない」と評し、静観を呼びかけたのは、過度な不安を抑えつつ事態を見極める冷静な対応を求めたものだ。
トランプ氏は本日、首脳会談の後に「天壇」を参拝し、夜には国賓晩餐会に出席する。明日には習氏とティータイムおよび昼食を共にする予定だが、そこでの密談が東アジアの安全保障環境を劇的に変える可能性もあり、世界中が北京の動向に注視している。
[出典]
- 川習會觸及台灣議題 民進黨團:台美夥伴關係 非一個會議就會改變(聯合報)
- 川習會「台灣議題」 三個面向攻守交鋒(経済日報)
- 川習會LIVE!盛大軍禮紅地毯 外界關切伊朗、經貿及對台軍售議題(自由時報)
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