台湾農業部は10月25日、台風チャンパー(薔琵)による農林水産・畜産業の被害額が、同日午前11時時点で1億5142万台湾元に達したと発表した。雑穀、野菜、果樹などの農作物に加え、温室や漁船、畜産施設にも被害が及んだ。農業部は宜蘭県で農業分野の全品目を救済対象とする方針を示し、苗栗県、南投県、台東県でも気象条件に基づく救済措置を進める。
農業被害1億5142万台湾元
農業部によると、25日午前11時までに各県・市から報告された農業被害の速報値は1億5142万台湾元だった。台風に伴う強風と豪雨は台湾西部の沿岸部や東部を中心に影響を及ぼした。
被害が目立ったのは雑穀、野菜、果樹などの農作物で、温室や防虫ネットを備えた栽培施設も強風によって損壊した。農業被害額は自治体の報告に基づく暫定集計であり、現地調査の進展に伴って増減する可能性がある。
漁船の転覆や畜産施設の被害も
農作物以外では、台東県の長浜漁港で漁船が転覆した。新北市の一部畜産施設では、停電や強風によって豚や畜舎に損害が発生した。
今回の農業被害には、収穫前の作物が損傷した場合だけでなく、農業用施設や畜産設備などの損失も含まれている。ただし、農業部が公表した1億5142万台湾元について、個別品目や県・市ごとの金額の全内訳は今回確認した発表では示されていない。
宜蘭県は農業分野の全品目を救済
農業部は25日、専門家会議を開き、気象条件に基づく救済の対象地域を検討した。救済対象として公告する方針が示されたのは苗栗県、南投県、宜蘭県、台東県の4県である。このうち宜蘭県は農業分野の全品目が救済対象となる基準に達した。
農業部は、気象データによって被害が一定の基準を満たす地域について、農家ごとの申請や確認手続きを簡素化する方針を示している。対象となる農家への支援内容は、正式な公告や個別制度の要件に従って決定される。
8県・市の77品目にも救済措置
気象条件に基づく救済基準に達しなかった地域についても、現地調査などを踏まえ、農業部は救済対象を広げる方針を決めた。対象となるのは新北市、桃園市、苗栗県、台中市、彰化県、南投県、雲林県、台東県の8県・市。農業、林業、漁業、畜産業にまたがる計77品目を対象に、救済措置を公告する。
同じ県が気象条件に基づく救済と、個別品目の救済の両方に含まれる場合があるため、対象県の数を単純に合算することはできない。農業部は迅速かつ簡素な手続きで支援を実施する方針を示した。
農業保険の支払見込み7000万台湾元
農業部は、農業保険のうち気象条件を支払い基準とする5種類の保険について、保険金の支払い条件を満たしたと発表した。対象はバンレイシ、サトイモ、バナナ、ブンタン、かんきつ類で、支払見込み額は約7000万台湾元に達する。
これらの保険では、気象データによって支払い条件を判定できるため、条件を満たす契約については個別の現地調査を省略する。農業部は保険会社に対し、査定や支払いの手続きを簡素化し、対象農家へ速やかに通知するよう求める方針を示した。
約7000万台湾元は保険金の見込み額であり、農業被害額1億5142万台湾元とは別の指標である。両者を加算して被害総額とすることはできない。
苗栗県の農道でも土砂崩れ
苗栗県南庄郷の301農道では、7月の台風によって斜面が崩壊していた場所で、今回の台風によって再び土砂が崩れ、道路が通行できなくなった。中央政府はすでに復旧工事計画を承認しており、県政府に事業の継続を求める。
一方、各地の農業用水利施設については巡回点検を終え、重大な被害は確認されなかった。一部では倒木があったものの、撤去を終えており、通水には影響していないという。
被害調査と救済公告を継続
農業部は、各自治体の速報と現地調査の結果を踏まえ、救済対象地域と品目を正式に公告する。今回の発表で確認されたのは25日午前11時時点の被害額と、同日開催した専門家会議による救済方針である。農家への補助金や保険金の支払いがすべて完了したわけではない。
出典
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(2026年10月25日)
