台湾・花蓮の食品大手「宗泰食品」会長が交通事故死 車で橋の欄干を突き破り転落

 台湾東部の花蓮県新城郷で10月25日午後3時ごろ、地元の食品会社「宗泰食品」の余国基会長(64)が運転する乗用車が橋の欄干を突き破って転落する事故が起きた。余氏は車内に閉じ込められ、消防隊員に救出されて病院に搬送されたが、死亡が確認された。警察は飲酒運転や薬物の影響を受けた運転の可能性を初期調査で排除し、事故原因を調べている。聯合報などが26日に報じた。

県道193号線の橋から転落、車体が大破

 事故が起きたのは、花蓮県新城郷の県道193号線にある光隆橋付近。余氏は乗用車を1人で運転し、北方向に走行していた。

 警察や消防当局によると、乗用車は何らかの原因で道路右側の欄干を突き破り、橋の下に転落した。車は河岸付近まで転がり、車体が大きく変形した。

 花蓮県消防局は午後3時ごろ、事故の通報を受けて救助隊を派遣した。

 現場に到着した消防隊員は、余氏が大破した車内に閉じ込められているのを発見した。余氏は既に呼吸と心拍が停止した状態だった。

 救助隊は専用の器具を使って車体を切断し、余氏を救出。心肺蘇生を行いながら花蓮慈済病院へ搬送したが、救命できなかった。

飲酒・薬物運転を初期調査で排除

 警察は事故原因について、飲酒運転や薬物の影響を受けた運転の可能性を初期調査で排除した。

 聯合報の26日午後1時46分付報道によると、警察は速度超過が事故につながった可能性も調べている。

 ただし、事故当時の正確な速度や、余氏が運転操作を誤ったかどうかは確認されていない。

 事故現場の周辺には監視カメラが設置されておらず、事故の瞬間を捉えた映像の確認が難しい状況にある。

 車載記録装置については、報道内容が食い違っている。中央通信社は25日、警察が車載記録装置の記録を入手したと伝えた一方、聯合報は26日、事故車両には記録装置がなかったと報じた。

 警察は周辺の交差点に設置された監視カメラの映像などを調べ、事故前の走行状況を確認している。

 また、検察当局による遺体の検視などを通じて、事故の経緯を詳しく調べる方針だ。

花蓮を代表する土産品ブランドを経営

 余氏が会長を務めていた宗泰食品は、花蓮県を拠点とする食品会社で、地元の農産物や特産品を使った土産品の製造・販売を手掛けている。

 同社は1970年、余氏の父親である余宗柏氏が創業した。

 代表的なブランドは「阿美麻糬」で、もち菓子を中心に台湾東部の土産品として知られている。

 同社グループは、花蓮県の「阿美小米文化館」や「七星柴魚博物館」、台東県の「台東阿美釈迦麻糬館」、花蓮県の「地耕味・玩味蕃楽園」なども展開している。

 食品販売だけでなく、地元の農業、観光、文化体験を組み合わせた事業を手掛けてきた。

 余氏は父親が創業した事業を引き継ぎ、ブランドの拡大や観光施設の運営に取り組んでいた。

地元経済界にも衝撃

 余氏は花蓮県警察友の会の名誉理事長も務め、地域社会との関わりが深かった。

 事故の知らせを受け、花蓮県の政界や経済界の関係者から追悼の声が上がった。

 国民党の傅崐萁立法院議員は、余氏が地域社会への貢献に力を注いできたとして、その死を悼んだ。

 中央通信社によると、遺族も余氏が事故現場を通行していた理由を把握していなかった。

 警察は事故前の行動や走行経路などを確認し、欄干を突き破って転落した原因の解明を進めている。

 26日時点で、事故の直接原因について警察の最終的な判断は発表されていない。

出典

関連記事

(2026年10月27日)

タイトルとURLをコピーしました