台湾外交部は10月23日、中国とロシアが21日に署名した第31回首相定期会合の共同文書について、台湾の主権を損なう内容が含まれているとして抗議する声明を発表した。共同文書は国連総会決議2758号に関する中国側の解釈を反映し、ロシアが「一つの中国」原則を改めて支持した。台湾外交部は、決議の内容を歪曲していると批判した。
中国・ロシア首相会合の共同文書が発端
中国とロシアは10月21日に開いた第31回首相定期会合で、両国の協力関係に関する共同文書に署名した。
台湾外交部によると、文書にはロシアが「一つの中国」原則を遵守する立場を再確認する内容が含まれていた。
また、国連総会決議2758号に関する記述についても、台湾側は中国政府の主張を反映したものだとして問題視した。
台湾外交部は23日付の声明で、中国政府が国際社会で他国との連携を通じて台湾の主権を損なう言論を広めていると批判した。
ロシアについても、中国側の立場に同調したとして遺憾の意を示した。
国連決議2758号を巡る対立
国連総会決議2758号は1971年10月25日に採択された。
同決議は、国連における中国の代表権を中華人民共和国政府に認め、蒋介石の代表を国連から排除することを定めた。
中国政府は、同決議によって国際社会における「一つの中国」原則が確認されたとの立場を取っている。
一方、台湾政府は、決議が扱っているのは国連で中国を代表する政府の問題であり、台湾の主権や国際機関への参加資格を決定したものではないと主張している。
今回の台湾外交部の声明も、この立場に基づくものとなっている。
台湾海峡の平和と国際参加
台湾外交部は声明で、中国とロシアによる台湾関連の記述が台湾海峡の緊張を高めると主張した。
その上で、友好国に対し、国際会議などで台湾海峡の平和と安定への支持を継続するよう呼び掛けた。
台湾政府は、自らの防衛能力を強化するとともに、社会全体で危機に対応する能力を高める方針も改めて示した。
さらに、友好国との協力を通じて、インド太平洋地域の平和と安定を維持していくと説明した。
共同文書の位置付け
中国とロシアの共同文書は、両国政府の外交上の立場を示すものであり、それ自体が台湾の法的地位を新たに決定するものではない。
また、台湾外交部の抗議声明も、台湾政府の公式な立場を表明したものである。
今回確認できた台湾側の声明では、中国・ロシア共同文書に対する抗議と、国際社会への働き掛けが中心となっている。
共同文書の署名日は21日、台湾外交部の抗議声明の発表日は23日であり、両者は区別される。
出典
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(2026年10月26日)
