台湾の工業技術研究院(ITRI)は、中国によるレアアース(希土類)の輸出規制に対応するため、工業団地内に実証工場を建設し、2030年末までに年間500トンの生産能力を整備する計画を明らかにした。台湾国内のレアアース需要の約50%を賄うことを目指す。中央通信社が10月24日、張培仁院長へのインタビューを基に報じた。
実証工場と技術開発
張院長によると、研究院の既存の実験設備の年間生産量は約5000キロで、まだ商業生産の規模には達していない。新たな実証工場は2028年末までの完成を目指し、その後、製造工程と材料の配合技術を確立する。研究院はレアアースの分離から金属材料への加工、高性能磁石の製造までを視野に入れている。中興院区には分離・金属化の設備があり、六甲院区には磁石製造設備の一部が設けられている。
張院長は、レアアースは元素同士の性質が似ているため分離が難しく、材料の配合工程も数百から1000段階に及ぶと説明した。実証工場は現在設計中で、2030年末までに配合技術を確立して年産500トン規模に達することを目指す。
中国の輸出規制と供給網
レアアースは永久磁石、電子部品、製造装置などに使われ、半導体や電気自動車の供給網に関わる。中国の輸出規制を受け、台湾では国内生産と調達先の多様化が課題となっている。ただし、実証工場の建設には予算措置が必要であり、原料の調達、製造コスト、民間企業への技術移転、商業生産の開始時期は今後の課題である。
実証工場の予算は国家科学・技術委員会による計上が必要となる。将来の民間企業への技術移転を進めやすくするため、工業団地内で用地を探して建設する計画だ。政府による価格保証など、投資企業を支える事業の仕組みは今後協議する。
出典
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(2026年10月26日)
