台湾立法院、監察院廃止後の権限移管を議論 監督機能の独立性が争点

台湾立法院の憲法改正委員会は10月21日、監察院を廃止した場合の権限移管を議題に公聴会を開いた。監察院が担う行政機関の監督、調査、会計検査、人権保障などの機能を、どの機関に引き継ぐかが議論された。出席した専門家からは、権限を立法院に集中させた場合の政治的中立性や、監督機関の独立性に関する懸念が示された。

監察院の機能をどこに移すか

台湾の監察院は、行政機関や公務員に対する監督、調査、弾劾などを担う憲法上の機関である。

公聴会では、監察院を廃止した場合に、立法院が調査権限を引き継ぐ案などについて意見が交わされた。

台湾大学法学院の林明鏘教授は、監察院が廃止されても監察権そのものは残るとの見方を示した。そのうえで、立法院による権限の継承や、国家人権委員会の移管などを検討すべきだと説明した。

政治的中立性への懸念

彰化師範大学の劉兆隆副教授は、監督機能が政治化される危険性を指摘した。

立法院の多数派が調査に必要な人員や資源を支配すること、会計検査機関が行政機関に従属すること、人権機関が独立性を失うことなどが懸念されると述べた。

制度設計では、超党派の人事や任期の分散、予算・人事の独立、報告の公開、司法救済などが必要になるとの考えを示した。

現行制度の機能停止にも懸念

元監察委員の葉宜津氏は、憲法改正が実現する前に監察院の機能を停止させることは、責任ある対応ではないと指摘した。

監察委員が不在のため、職員が調査を終えた案件についても改善措置を求められず、行政機関への監督が滞る問題があると説明した。

一方、葉氏は、調査権限を立法院に移す場合にも、議員の業務負担や専門性の確保が課題になると述べた。

今回の公聴会は制度改正に向けた議論の一環であり、監察院の廃止や権限移管が正式決定されたわけではない。

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