米、台湾の国防予算削減に「失望」表明
トランプ米政権の高官は10日、台湾の立法院(国会)で可決された国防特別条例の予算規模が当初案から大幅に削減されたことに対し、「失望」を表明した。13日から予定されているトランプ大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談を前に、米側が台湾の防衛努力に対し厳しい視線を注いでいることが浮き彫りとなった。台湾メディアの聯合新聞網などが伝えた。
台湾立法院はこのほど、8年間で1兆2500億元を投じる行政院(内閣)の国防予算案に対し、野党主導で4700億元を削減した7800億元の修正案を可決した。米政府当局者は、トランプ政権が発足1年目で対中抑止を見据え対台湾武器売却を大幅に強化してきた実績を強調。とりわけ民間企業からの直接購入(商用調達)や台湾国内での委託生産といった重要項目が予算案から外された点に強い不満を示した。
米政府高官は今回は認められなかったこれらの項目についても、別の形で行財政的な手当てを行い、確実に資金を確保するよう台湾側に強く求めた。台湾の林佳龍外相は11日、国防予算は自衛の決意を示すものだと述べ、国会に救済措置を呼びかけた。台湾政府は明日13日の条例施行を受け、安全保障への打撃を最小限に抑えるための対応を迫られている。
140億ドルの対台軍售加速とトランプ・習近平会談の背景
米国の超党派上院議員らはトランプ大統領に対し、長らく遅延している総額140億ドル規模の対台湾武器売却案を速やかに進めるよう強く求めている。トランプ氏が今週北京で中国の習近平国家主席と会談するのを前に、この武器売却案の進捗はトランプ政権の台湾に対する安全保障上のコミットメントを測る重要な指標とみなされている。
ニューヨーク・タイムズの報道によれば、共和・民主両党の議員8人は8日、トランプ氏に宛てた書簡の中で、同武器売却案を正式に議会へ通知するよう促した。議員らは、台湾側が先日7800億元の国防特別条例を通過させた事実を挙げ、米側が武器売却計画をこれ以上遅らせる正当な理由はもはや存在しないと断じた。
この武器売却計画は防空ミサイルを含む高度な装備品で構成されており、すでに実務段階では最終段階にある。米国務省は1月に非公式レビューのため議会に提出し、超党派の幹部議員らも承認を済ませていた。しかし、実際の手続きは国務省内で棚上げされたままとなっている。当局者の証言によれば、ホワイトハウスが「トランプ・習近平会談」の成功と対中交渉のカードとしての価値を維持するため、意図的に手続きの停止を命じた可能性が浮上している。現在停滞している140億ドルの計画は、トランプ政権が昨年12月に発表した110億ドルの売却案を上回る規模であり、台湾海峡の軍事バランスに大きな影響を与えるものだ。
産業構造と政策意図:削減された予算の波紋
今回の立法院による予算削減は、単なる金額の圧縮にとどまらず、台湾の産業構造や防衛戦略に深刻な影を落としている。行政院が当初提案した1.25兆元から排除された4700億元の内訳には、ドローンや無人艦艇の開発、システムの統合といった「非対称戦力」の核となる部分が含まれていた。これらは民間企業からの商用調達や国内委託製造を前提としており、軍需産業を通じた経済波及効果も期待されていた分野である。
行政院の卓栄泰院長は、軍事調達の全体計画が細分化・削減されたことで、国防の安全保障能力が大きな打撃を受けたと批判している。また、高雄市の陳其邁市長が指摘するように、軍事調達案は関連産業で約9万人分の雇用機会を創出する見込みがあった。今回の予算削減は、単なる防衛力の弱体化だけでなく、台湾国内の産業育成や技術革新の芽を摘む結果となりかねない。
対して野党の国民党は、責任ある国防政策は数字の大きさではなく、いかに効率的に戦力へ転換できるかが重要であると主張する。鄭麗文主席は、詳細な内容を欠いた「白紙委任」のような予算編成は認められないとし、透明性と監視の重要性を説いている。また、国民党側は、商用調達などは特別予算ではなく常態的な経常予算で対応すべきだとの立場を崩していない。
しかし、米国側が「失望」という強い言葉を用いた背景には、台湾が自国を守るための「十分なコスト」を払う意思があるのかを厳しく見定めている事情がある。トランプ政権は、同盟国やパートナー国に対して相応の防衛負担を求める傾向が強く、今回の予算削減が「台湾に自衛の意思なし」と北京に誤解を与えるメッセージになることを懸念している。13日の条例施行を控え、台湾当局は米側の信頼回復と国内防衛体制の再構築という、極めて困難な舵取りを迫られている。
[出典] 美跨黨議員籲川普 加快140億美元對台軍售 美官員:川習會美政策不會改變 對台防衛預算失望 立院通過的軍購金額 美國相當失望 美高級官員:盼未通過的部分也能到位
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