中国海警船が東沙諸島の制限水域に侵入、台湾巡視船と対峙

台湾海洋委員会海巡署は10月20日、中国海警局の巡視船「海警3102」が南シナ海の東沙諸島周辺の制限水域に侵入し、台湾の巡視船「台中」と対峙したと発表した。台湾側によると、中国海警船は船舶自動識別装置(AIS)を作動させずに接近した。台湾側は無線で退去を要求したが、中国側は台湾の主権を否定する発言を繰り返したという。

AISを停止して接近

台湾海巡署の東南沙分署によると、20日午前5時ごろ、東沙諸島の南東海域で中国海警船の接近を探知した。海警船はAISを作動させておらず、台湾側は周辺で警戒していた「台中」を前方に配置した。

中国海警船は同日午前8時ごろ、東沙島北東側の制限水域に入った。台湾の巡視船は並走して監視を続け、中国語と英語で繰り返し退去を要求した。

海巡署によると、中国海警船は無線を通じて台湾の主権を否定する発言を行い、台湾巡視船を中国の一部として扱う呼称を使用した。台湾側はこれに反論し、無許可で制限水域に入る行為をやめるよう要求した。

年初から12回の排除措置

台湾海巡署は、2026年初めから今回までに東沙諸島周辺で中国海警船を12回、延べ15隻排除したと説明した。

同署は、中国側が海警船、調査船、漁船を組み合わせ、台湾周辺の複数海域で活動していると指摘する。今回の行動についても、実際の管轄権を既成事実化しようとする活動の一環だと主張した。

東沙諸島は台湾が実効支配しているが、中国政府も領有権を主張している。中国側は周辺海域での海警活動を正当な法執行と位置付けており、台湾側の説明とは対立している。

今回確認されたのは中国海警船と台湾巡視船の接近・対峙であり、衝突や発砲が発生したとの情報は確認されていない。

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