台湾外務次官、欧州との共同生産提案 ベルリン安全保障会議で

台湾の呉志中外務次官は11月4日、ドイツのベルリン安全保障会議で、欧州の研究開発・設計と台湾企業の製造能力を組み合わせる共同生産を提案した。欧州が製造業を再び育てる取り組みに台湾企業が協力し、双方の競争力を高められると訴えた。台湾の中央通信社が6日、会議での発言を報じた。

会議は3~4日に開催され、リトアニアがパートナー国を務めた。欧州の防衛力やロシアによる安全保障上の脅威などを議論し、各国の政府、軍、国防産業の関係者が参加した。4日には台湾をテーマにした討論が行われ、中国が台湾に及ぼす安全保障上の脅威や、台湾と欧州の協力を取り上げた。

台湾側からは呉氏のほか、国家安全会議の林飛帆副秘書長と国防省の謝日升・情報参謀次長が登壇した。呉氏は、台湾と欧州は民主制度や経済発展の面で共通点があると述べ、欧州にとって台湾はアジアの重要な協力相手になり得るとの見方を示した。

呉氏は分業の実例として、米エヌビディアが設計した人工知能(AI)向け半導体を台湾積体電路製造(TSMC)が受託生産する関係を紹介した。米アップルの製品でも米国の設計と台湾企業の製造能力が組み合わされているとして、こうした分業を欧州との協力にも応用できると説明した。

呉氏は会議後の中央通信社の取材に、欧州企業が工場を海外に移した結果、製造能力を失うリスクを欧州が認識するようになったと語った。その上で、中国が台湾を支配すれば、台湾の半導体技術や製造能力を他国への圧力に使うおそれがあるとの見方を示し、台湾との協力を経済安全保障にも結び付けた。

討論はドイツの退役少将ラインハルト・ウォルスキ氏が進行した。中央通信社によると、同氏は軍事と非軍事の手段を組み合わせた脅威への対応で、ドイツが台湾から学べる点があると述べた。会場には軍事技術や装備の展示区画も設けられた。

呉氏は欧州諸国に対し、台湾と外交関係を持つかどうかにかかわらず、台湾と中国が異なる政治制度を持つことを理解し、台湾海峡の現状維持に協力するよう求めた。台湾との経済協力を、欧州が自らの製造能力や供給網を確保する取り組みにも位置付けた。

会場では台湾企業が無人機などの製品を展示した。呉氏は半導体の設計と生産の分業を協力の例に挙げたが、今回の発言に伴う個別の共同生産契約、工場の立地、投資額の発表は確認できなかった。

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(2026年11月6日)

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