台湾大陸委員会の梁文傑副主任委員は11月5日の定例記者会見で、中国が台湾に「一つの中国」と「九二共識」に戻るよう求めたことについて、台湾を中国の一省に位置付ける考え方は受け入れられないと述べた。中国国務院台湾事務弁公室は4日、台湾の与党、民進党に独立を掲げる党綱領の撤廃も求めていた。
梁氏は前週の記者会見で、台湾が用いる国号の中華民国は主権国家で、中華人民共和国とは互いに従属関係にないとの立場を示した。この立場から台湾独立の問題は存在せず、台湾にとっての問題は中国共産党から統一を強いられるかどうかだと説明していた。
朱鳳蓮報道官は4日の中国国務院台湾事務弁公室の記者会見で、民進党政権が本当に台湾独立の問題はないと考えるなら、「一つの中国」と「九二共識」に戻るべきだと主張した。台湾独立に向けた動きをやめることも要求した。
5日の会見で梁氏は、中国共産党のいう「一つの中国」では北京が中央政府で、台湾はその下に置かれる一省になると説明した。両者が「台湾独立の問題はない」という言い回しを使っても、その前提となる台湾の位置付けが異なることを示した。
「九二共識」は、1992年に香港で行われた両岸の実務窓口の協議を巡る呼び方だ。当時、台湾側の海峡交流基金会と中国側の海峡両岸関係協会は、双方の交流に伴う実務上の問題について協議した。その際に「一つの中国」をどう扱ったかについては、台湾でも政権によって説明が異なってきた。
台湾大陸委員会は過去に、双方が「一つの中国」の内容をそれぞれ口頭で表す方式を取ったと説明したことがある。一方、別の時期には、香港での会談で具体的な結論は得られなかったとの見解を示した。5日の梁氏の発言は、現在の台湾当局が中国側の解釈を受け入れないとの立場を示したものだ。
梁氏は、中国の一部の研究者が提唱する台湾への「一国二制度」の適用にも言及した。台湾が軍隊を持たず、人民解放軍が駐留することや、台湾の政党に北京の審査を求める考え方が出ていると指摘した。これらは梁氏が紹介した研究者の議論で、中国政府が今回の会見で示した新たな措置ではない。
また梁氏は、中国がこれまでに公表した台湾問題を巡る3本の白書で、「一国二制度」の内容を説明する際の表現が大きく変わってきたと述べた。今回の応酬は、両岸対話の前提として中国側が求める政治的立場と、台湾当局が掲げる相互に従属しないとの立場を巡るものだ。
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(2026年11月6日)
