中国調査船が台湾東方海域で海洋調査を展開 台湾側は制限水域への進入に強く反発

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中国調査船が台湾東方海域で活動 環境データ収集

中国自然資源省東海局の海洋調査船「向陽紅22」が6月16日から18日にかけて、台湾東方海域で海洋環境調査を実施し、台湾当局との対立が強まっている。中国国営通信の新華社によると、同船は海水中の環境DNA(eDNA)や鳥類、クジラ・イルカ類、海洋化学、水文、気象などのデータを収集した。中国自然資源省は、中国の管轄海域における自然生態系を把握し、生態系の健全性評価や海洋生物多様性保護のための科学的基礎資料を整備することが目的であり、通常の海洋環境調査活動だと説明している。

今回の海洋調査は、中国交通運輸省が6日から10日にかけて実施した大規模な「海上交通特別法執行・測量行動」に続くものだった。同活動には福建海事局、広東海事局、東海航海保障センター、東海救助局などが参加し、「海巡09」などの大型船舶を投入。総航行距離1000海里超、測量距離1025海里に達し、約200隻の船舶を検査したほか、海底ケーブル区域や重要停泊地、高リスク海域の巡視も実施した。

台湾制限水域への進入と海巡署による強制排除

一方、台湾側は強く反発している。台湾海洋委員会海巡署によると、「向陽紅22」は6月10日に浙江省舟山港を出港後、宮古島東方海域を経て、日本の与那国島南方海域と台湾東部排他的経済水域(EEZ)を往復しながら活動を続けた。18日午後8時には花蓮東方 41 カイリを航行し、同日午後11時35分には宜蘭県蘇澳北東約31カイリの海域で台湾の制限水域に進入した。

海巡署は巡視船「蘭嶼艦」と巡視艇「PP-10077」を派遣し、無線で直ちに退去するよう警告した。さらに両艦艇が接近して波を発生させる「造浪」措置を取りながら追尾監視を実施し、「向陽紅22」は19日午前4時20分に彭佳嶼北東24カイリ付近で制限水域を離脱、その後北方へ航行した。

日フィリピンの動きに対抗か 「近海ガバナンス」構築も主張

中国側は、日本とフィリピンが台湾東方海域におけるEEZおよび大陸棚の境界画定交渉を進める動きを受けた対応措置だと説明している。5月28日には、高市早苗首相とフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領が東京で会談し、境界画定交渉の開始を発表していた。

中国中央テレビ(CCTV)系メディア「玉淵譚天」は、今回の活動を「近海ガバナンス(近海治理)」モデルの構築と位置付け、「台湾島東部の海底地図を補完した」と主張した。海事、航路保障、救助、海警など複数部門による常態的な協力体制を通じて、台湾東方海域を日常的な管理ネットワークへ組み込んでいるという。

これに対し、台湾海巡署は中国が近年、公務船や調査船を頻繁に台湾東部海域へ派遣し、「科学調査」を名目に管轄権の既成事実化を図っていると批判した。また、台湾の海軍元艦長で中華戦略学会上級研究員の張競氏は、同海域での活動について、中国が台湾東方海域に対する管轄権主張を示す政治的メッセージだとの見方を示した。同氏は、今回の調査公表が日本とフィリピンの境界画定交渉を意識した政治的表態である可能性が高いと分析している。

「向陽紅22」は3000トン級の海洋調査船で、2019年末の就役以来、尖閣諸島周辺海域や奄美大島近海のEEZでも活動しており、日本政府の抗議を受けた経緯がある。軍事・情報分野の専門家からは軍事的な意味合いを持つ可能性も指摘されており、各国の監視対象となっている。

出典

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