台湾の頼清徳総統は10月28日、台北で開かれた民進党の中央常務委員会で、中国による地方選挙への認知戦や、暴力団・地元の協力者を通じた介入に警戒するよう呼び掛けた。党主席を兼ねる頼氏の発言を、呉崢報道官が会議後に説明した。11月28日の投票まで約1カ月となり、党公職者や候補者陣営に選挙情勢を楽観しすぎないよう求めた。
頼氏は、国際組織や研究者が過去に示した警告を踏まえ、中国の手法は従来の政治宣伝にとどまらず、人工知能(AI)、国境を越えた抑圧、連携したネット工作などを組み合わせる可能性があると指摘した。目的は投票結果への直接的な影響だけでなく、偽情報の拡散や社会対立の激化を通じ、民主制度への信頼を損なうことにもあると主張した。
その上で、疑わしい情報には正確な説明と事実確認で対応し、偽情報の拡散を防ぐよう要請。各陣営には有権者との対話を続け、政策や地域運営の構想を理性的、前向きに伝えるよう促した。今回の発言は選挙介入の危険性についての警告であり、新たな個別事件の捜査結果や中国側の関与を示す証拠を公表したものではない。
