米太平洋司令部のサミュエル・パパロ司令官は7月下旬、ハワイの同司令部で米誌タイムの取材に応じ、中国による台湾侵攻を防ぐ「拒止による抑止」戦略を説明した。インタビューは10月12日号の表紙に掲載される予定。
パパロ氏は「戦わずして勝つのが最高の境地だ」と孫子の兵法を引用し、任務の成功は戦闘に勝つことではなく、抑止力を構築して戦争そのものを回避することだと述べた。同司令部は軍人・文民約40万人、約200隻の艦艇と1000機超の航空機を管轄し、中国による台湾侵攻の抑止が最重要任務だという。
同氏によると、中国人民解放軍海軍の艦艇数は25年前の約37隻から現在は約12倍に増加した。中国の宇宙・ミサイル開発や核戦力の急速な拡大にも懸念を示し、台湾の政治情勢にかかわらず、武力行使の代償が耐え難いほど高いと習近平国家主席に理解させることが任務だと語った。
構想の一部は、ウクライナでの戦闘を参考に、台湾海峡に安価で大量生産した精密攻撃用ドローンを配備し、高性能ミサイルと組み合わせて中国軍の上陸作戦を阻止、または大幅に遅らせる「地獄絵図」と呼ぶ戦場をつくることだ。パパロ氏は勝利する能力に自信を示しつつ、人的被害や作戦能力、費用、時間の面で米側の代償をゼロに近づけたいと述べた。
