台湾の高齢者健保料補助、政府が修法の再検討要求

台湾の卓栄泰行政院長(首相)は10月20日、一定の所得条件を満たす65歳以上の高齢者の健康保険料を中央政府が全額補助する老人福利法改正について、財政面の検討や困窮者への支援に問題があるとして、立法院(国会)に対応の再検討を求めた。野党側は家計負担の軽減につながると主張しており、財源と既存の医療費補助への影響を巡る対立が続いている。

改正案は国民党と民衆党の主導で10月16日に可決された。直近1年間の総合所得が申告基準に達しないか、適用される所得税率が20%未満の65歳以上の高齢者について、健保料の全額を中央政府の補助対象とする。

国民党、民衆党側は、自治体によって異なる高齢者の健保料補助を全国共通の仕組みに改め、親と子を支える世代の経済的負担を減らす措置と説明している。一方、政府側は、所得や負担能力に応じて支え合う健保制度の原則や、中央政府の財政負担との整合性を問題視する。

争点の一つは、従来の第22条にあった医療費補助規定が削除されたことだ。従来は、診療時の自己負担分や保険給付の対象外となる医療費を支払えない高齢者に対し、自治体が補助する仕組みを定めていた。張惇涵行政院秘書長は19日、最も支援を必要とする高齢者が取り残される可能性があると指摘した。

民衆党の立法院会派は、社会救助法などにも独立した医療費補助の根拠があり、支援が直ちに途絶えることはないと反論した。健保料補助は政府予算から支出するもので、健保基金の赤字と直接結び付けるべきではないとも主張している。

これに対し、石崇良衛生福利部長(衛生福祉相)は20日、社会救助法による支援は主に低所得・中低所得世帯が対象で、従来の老人福利法が救済していた、医療費を負担できない高齢者をすべて包含するものではないと説明した。

卓氏も同日の立法院で、財政構造を十分に分析せず歳出を増やせば、支援の偏りや不均衡を招くと指摘した。19日の張氏の説明では、可決された改正案はまだ立法院から送付されておらず、発言は立法院への再検討の呼び掛けだった。

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