台湾立法院は11月6日、老齢農民向けの福祉手当を月額1万5000台湾元に引き上げる法改正案を可決した。野党の国民党と民衆党が協力して成立させた。行政院は月額1万台湾元への引き上げを提案しており、立法院の可決案について、財源を示さず中央政府の支出を大幅に増やすとして反発した。
対象となったのは、老齢農民福祉手当暫定条例の改正案。TVBSによると、行政院は高齢の農民の生活保障と財政の持続性を考慮し、支給額だけでなく高所得者を対象から除く基準や物価に応じた調整の仕組みも含めて検討した上で、月1万台湾元の政府案を示していた。
李慧芝行政院報道官は6日夜、立法院の可決案は行政院と十分に協議せず、必要な財源も明示していないと説明した。政府案に比べて年間約320億台湾元の支出増となり、既に編成した予算で賄える範囲を超えるとする試算を示した。
行政院は、この支出増が長期的な財政負担を重くし、ほかの農業政策に配分できる財源を圧迫する可能性があると主張した。農民の生活支援とともに、農業基盤の整備、産業の転換、若者の就農支援にも予算を充てる必要があるとの立場を説明している。
法的な論点として、行政院は憲法第70条と予算法第91条の趣旨に反すると指摘した。行政院の施政計画と予算提出の権限を侵害するという主張で、違憲または違法との司法判断が下されたわけではない。
李氏は法案を受け取った後、法と憲法に沿う権限の範囲内で適切に対応すると説明した。高齢者の健康保険料に関する改正では同日に副署しない方針が発表されたが、老齢農民手当の改正について、今回確認したTVBSの記事は同じ措置を取ると確定したとは伝えていない。
月1万5000台湾元は立法院で可決された改正案の支給額である。実際に増額支給が始まった日や対象者への通知については、今回確認した資料では明らかになっていない。
