台湾北部防空演習が8月13日午後2時30分から3時まで、台北市、新北市、桃園市、基隆市、宜蘭県、新竹市、新竹県の7県市で実施された。警報の発令に合わせて住民らが屋内や避難施設へ移動し、台北市中心部の道路から人や車が消えた。戦争や大規模災害による通信障害を想定し、行動通信の速度を意図的に落とす訓練も北部で初めて行われた。
台湾北部防空演習で台北市内を一斉に規制
2026年の「都市強靱性(防空)演習」は、警報伝達、住民の避難誘導、交通規制、災害救援などを組み合わせて行われた。北部での訓練は一連の演習の最終回に当たり、7県市が同時に参加した。
台北市では警報が鳴ると、警察官や民防担当者が屋外の住民を建物内や地下施設へ誘導した。地下鉄駅でも利用者が避難訓練に参加し、普段は交通量の多い道路から人や車が姿を消した。一方、演習を知らずに屋外を歩いていた一部の住民は、警察官から屋内へ移動するよう促された。
演習中は屋外の歩行者や走行中の車両も規制対象となった。住民や運転者は現場の警察官らの指示に従い、近くの防空避難施設や屋内へ移動することが求められた。規定に従わなかった場合、地方当局は民防法に基づき3万~15万台湾元の罰金を科すことができる。
戦時想定で行動通信の速度を制限
今回の台湾北部防空演習では、行動通信設備や重要インフラが被害を受け、通信容量が不足する事態を想定した速度制限も実施された。携帯電話の4Gと5Gによるデータ通信を30分間制限し、通信事業者や政府機関の緊急時の調整能力とバックアップ体制を確認した。
速度制限は通信の完全な遮断ではなく、音声通話、ショートメッセージ、災害警報、110と119への緊急通報は利用できた。一方、動画配信、画像や動画を伴う交流サイト、ビデオ通話、クラウドサービス、モバイル決済など、大量のデータを必要とするサービスは影響を受ける可能性があるとされた。固定回線とWi-Fiは速度制限の対象外だった。
桃園空港で旅行者を屋内へ誘導
桃園国際空港では航空警察と警備員が旅行者をターミナル内の避難場所へ誘導した。走行中の車両は道路脇または駐車場に停車し、空港と外部を結ぶバスやタクシーなどは演習中に発車を停止した。航空便の離着陸と空港鉄道は通常通り運行された。
空港では無料Wi-Fiと公衆電話が利用できたため、搭乗手続きなどへの大きな影響は確認されなかった。初めて台湾を訪れた日本人旅行者も係員の指示に従って地下1階へ避難した。同行者は、重要な演習を実際に経験できたとの受け止めを示した。台湾の住民からは、通信速度制限の影響をほとんど感じなかったとの声がある一方、不便だったとの意見も出た。
2026年8月14日
出典
- 香港01、2026年8月13日「台灣北部防空演習|直擊台北街上空無一人 首度模擬戰時網絡降速」
- 中央社、2026年8月13日「城鎮韌性演習納入網路降速 國外旅客:難得經驗」
- NOWnews今日新聞、2026年8月13日「圖輯/台北變空城!城鎮韌性演習登場 民眾趴趴走警察急勸離」
- TVBS新聞網、2026年8月13日「北部演習今登場!網路限速影響一覽 出國報到提早、雙鐵先取票」
- 自由時報、2026年8月12日「防空演習明北部7縣市登場 下午2時30分警報響、行動網路同步降速」

