台湾地方選挙、買収疑惑2302件を受理 95人起訴、反浸透法違反も53件

台湾の最高検察署は、11月28日に予定される統一地方選挙を前に、10月19日までに選挙妨害関連の事件6415件を受理し、このうち買収関連が2302件、関係者2593人に上ったことを明らかにした。買収関連では15件、95人が起訴され、反浸透法違反の疑いがある事件も53件、54人に達した。中央通信社が25日、最高検察署の統計と各地の捜査状況を報じた。

買収関連は選挙妨害事件の約36%

最高検察署の統計によると、買収関連の2302件は、受理した選挙妨害事件6415件の約35.9%を占める。買収の手口は現金の直接交付にとどまらず、会食への招待、贈答品の配布、公益団体の資金や地方組織の活動を利用した利益供与などに広がっている。

台湾法務部は、政党や候補者の所属にかかわらず、証拠と法律上の要件に基づいて捜査する方針を示している。選挙の公正性を守ると同時に、捜査対象者の権利を保障し、適正な司法手続きを徹底するとしている。

花蓮県では郷長夫妻ら3人を勾留

花蓮地方検察署は、秀林郷長の王玫瑰氏と夫の胡智民氏らが関係する買収疑惑を捜査している。検察側によると、胡氏は誕生日の宴席を利用して有権者を無料で招待したほか、交流視察の際に1000~2000台湾元の金銭を配布した疑いがある。公益団体の資金を使った会食も捜査対象となっている。

裁判所は王氏、胡氏、公益団体の責任者の計3人について、接見・通信を禁止した勾留を認めた。買収行為が実際に成立したかどうかは、今後の捜査と司法手続きで判断される。

台中では現金1526万台湾元とツバメの巣69箱を押収

台中地方検察署は、市議会議員選挙への立候補者が選挙運動の協力者を通じ、ツバメの巣の贈答品を有権者に配布した疑いを調べている。検察当局は9月21日に関係先を捜索し、現金1526万台湾元余りとツバメの巣の贈答品69箱を押収した。

選挙運動の協力者1人は勾留され、立候補者は10万台湾元の保釈金を納めて釈放された。検察側は資金の流れと贈答品の配布状況を調べている。押収された現金の全額が買収資金だったと確定したわけではない。

彰化県議長にも公費を利用した買収疑惑

彰化地方検察署は、県議会議長の謝典霖氏が議会の公費を使った会食を通じて選挙買収を行った疑いを捜査している。公費の不正取得に関する疑惑も浮上しており、謝氏と父親の謝新隆氏は裁判所に勾留された。両氏は勾留決定を不服として抗告したが、台湾高等法院台中分院はこれを退けた。

この事件では、選挙買収の成否に加え、議会予算の支出が適法だったかどうかも捜査上の論点となっている。

高雄では贈答品と漁業関係の補助制度を調査

高雄市議会議員選挙の立候補者、張騏晟氏を巡っては、母の日の会食で有権者に洋菓子の詰め合わせを配布した疑いがある。橋頭地方検察署は、張氏の父親で元高雄市海洋局長の張漢雄氏、兄の張鈞華氏らが漁業団体の資源を利用し、虚偽の書類によって有権者に漁民資格や補助金を取得させた疑いも調べている。最高検察署が示した資料によると、父親と兄は勾留された。

現金以外の利益供与も捜査対象

台湾法務部は10月7日の時点で、選挙買収の手口として贈答品、現金、旅行招待、会食などを挙げていた。当時の発表では、9月上旬までに選挙妨害事件1780件、買収関連984件を受理したとしていた。ただし、この数値と今回の6415件・2302件は集計時点が異なり、単純に比較して事件が同じ割合で増加したと判断することはできない。

台湾では、現金を渡さなくても、投票行動に影響を与える目的で飲食や旅行、物品などの利益を提供すれば、選挙買収に該当する可能性がある。

最高検察署によると、2022年の前回統一地方選挙以降、2026年9月21日までに支給された選挙買収の通報報奨金は累計1億6144万3748台湾元に達した。報奨金の非課税化についても協議されたが、税負担の公平性を巡って合意に至っていない。

11月28日の投票を前に、検察・警察・調査機関は各地の選挙買収事件の捜査を続けている。受理件数には捜査段階の事件が含まれ、関係者全員の犯罪が確定したものではない。

出典

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(2026年10月25日)

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