台湾大陸委員会の梁文傑副主任委員は11月5日、立法院の司法・法制委員会で、中国共産党による台湾への越境弾圧で、2005年以降に131人が被害を受けたと報告した。同じ人が複数回被害を受けた場合を含めると延べ149人に上る。政治家や軍関係者、司法関係者に加え、研究者や市民団体関係者にも対象が広がっているという。
大陸委員会は被害の形態を9類型に整理した。暴行や塗料を掛ける行為などの身体的攻撃、懸賞金を付けた指名手配や拘束といった刑事責任の追及、監視や尾行による心理的圧迫を挙げた。住居の衛星画像の公開や偽情報の流布など、デジタル手段を使った圧力も含めた。
このほか、本人や家族への出入境制限、家族や取引先への脅迫、取引の制限や銀行口座の凍結などの経済制裁を挙げた。公務員に脅しをかけて民主制度の運営を妨げる行為や、司法手続き、国際機関の仕組みを利用して対象者の行動を制約する行為も分類に含めた。
大陸委員会は10月5日、頼清徳総統の親族が米国で監視を受けたとする声明を出した際、台湾に関する越境弾圧の被害者を少なくとも126人、延べ140人としていた。11月の立法院報告では、前回公表値に比べ、実人数が5人、延べ人数が9人増えた。
台湾の行政院は4月1日、越境弾圧への対応を調整する関係機関の連絡体制を正式に設けた。梁氏は、中国など域外で指示を受けた協力者が台湾で犯罪行為に及ぶとみられる構図を断つため、被害の予防、被害者の保護、加害行為への対処を進めると説明した。
中央通信社によると、梁氏は同日の質疑で、香港での抗議活動に関わった人物の台湾での事業所が塗料を掛けられた事例を挙げた。一般の器物損壊に見える事件でも、被害者の活動歴と関係する疑いがあるとして、関係機関の連絡体制に通報したと説明した。
委員会では、どの機関が被害者からの相談を受け、越境弾圧の疑いをどう見極めるかも議論された。梁氏は別途、被害を知らせるための専用窓口を設ける方針を示した。131人は同委員会が中国共産党による越境弾圧として把握した人数で、個別事件の刑事裁判の結果を集計した数字とは区別される。
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(2026年11月6日)
